老後の住み替え資金はどのくらい必要?調達方法についても解説

老後の住み替え

現役時代と老後ではライフスタイルが大きく異なるため、老後によりよい生活を求めて住み替えをする人が増えています。

そこで気になるのは、老後の住み替えに必要な資金です。どのくらいの資金を確保できれば望むような住み替えができるのでしょうか。資金の調達方法とあわせて解説します。

老後の住み替え資金はどのくらい必要?

老後に住み替えをする場合、どれくらいの資金を用意すればよいのでしょうか。3つのパターンから住み替えに必要な資金の解説をします。

賃貸への住み替え資金

老後の住み替え先として、賃貸住宅もひとつの選択肢です。賃貸住宅は、購入するよりも初期費用が抑えられますが、毎月の家賃支払いが発生するため収支のバランスを考えたうえで選択しなければいけません。

賃貸の住み替えで必要な資金は、一般的に家賃の4〜5倍といわれていますが、立地や物件によって異なります。

この費用の中には、敷金・礼金、仲介手数料、前家賃、保証料、火災保険料などが含まれています。ただし、引っ越し費用や家具家電の購入費用、インターネット工事費用などは含まれていないため、必要な場合は準備しましょう。

たとえば、家賃10万円の賃貸住宅へ引っ越す場合、初期費用は40〜50万円程度必要です。ただ、敷金・礼金や仲介手数料が無料の物件の場合はこれより安く済むケースもあるため、その都度見積もりを取ることを心がけましょう。

住み替え先の購入資金

住み替え先を購入するケースもあります。住み替え先を購入する場合、物件価格や仲介手数料等を支払う必要があるため最初に多くの資金がかかりますが、毎月の家賃はかからないためランニングコストは低く済みます。

不動産購入には、物件価格+諸費用が必要です。諸費用の内訳は、仲介手数料、登記費用、印紙代、固定資産税清算金、火災保険料などがあげられます。この諸費用は物件価格の5〜10%程度になることが一般的です。

たとえば、2,000万円の物件を購入する場合、諸費用は100〜200万円がかかることとなります。つまり、購入にかかる費用は総額で2,100〜2,200万円だと考えられます。

ただし、購入後の家賃はかかりませんが、毎年の固定資産税や家の修繕費などがかかります。これらは住むうえで欠かせない費用であるため、購入の場合でも手元には資金を残しておくように心がけましょう。

有料老人ホームへの入居資金

老後の住み替え先に、賃貸や購入のほかに有料老人ホームを選ぶ人もいます。有料老人ホームにかかる費用は賃貸と似ており、入居するときに支払う「入居一時金」と、毎月支払う「月額利用料」のふたつがあります。

代表的な例をあげると、民間施設である介護付き有料老人ホームは、入居一時金が30万円〜数百万円、月額利用料は20〜30万円程度です。介護付き有料老人ホームは、手厚い介護サービスを受けられるため費用が高めです。しかし、老後も安心して暮らせるといえます。

また、公的施設である特別養護老人ホームは、低価格で入居できるのが魅力で入居一時金はかかりません。月額利用料も10〜15万円程度が相場です。

しかし、特別養護老人ホームは入所要件が「要介護3」以上の認定を受けた人のみとなっています。さらに、特別養護老人ホームは人気が高いためすぐに入居できないケースが多いため注意が必要です。

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老後の住み替え資金の調達方法

老後の住み替えには多くの費用がかかることがわかりました。では、その費用を調達するためにはどのように行動すればよいのでしょうか。

住宅ローンを組むのは難しい

ほとんどの金融機関では、住宅ローンを組むための年齢制限を設けているため、老後は住宅ローンを組むことが難しくなっています。よって、老後に住宅ローンを利用しての資金調達は困難であると考えましょう。

老後の住宅ローンが難しい理由は他にも、返済能力の有無があげられます。65歳を超えると年金生活や嘱託勤務となり、所得が著しく低下します。そのため、資金に余裕がなく金融機関の審査も厳しくなるのです。

また、住宅ローンを利用するためには団体信用生命保険に加入する必要がありますが、高齢になると持病を抱えているケースが多く、審査に通らず住宅ローンを組むことができないのです。

売却資金を元手に住み替える

老後の資金調達には、現在住んでいる自宅や不動産を売却し、それを住み替え資金に充てる方法があります。具体的に買い替えのパターンは大きく3つに分けられます。

1.売却先行
2.購入先行
3.同時進行+住み替えローン

老後の住み替えの場合、「2」は先行して住み替え先を購入するため売却資金を元手にできず、「3」は老後の住宅ローンが厳しいという理由で、「1」の売却先行の方法で住み替えを検討することがおすすめです。

売却先行で住み替えを行うメリットとしては、不動産の売却が確定してから住み替え先を検討するため、資金計画を適切に組むことができます。また、売却を急ぐ必要がないため、腰を据えてしっかり売却活動を行えることもメリットです。

一方、気をつけなければいけない点は、売却が確定したあとに住み替え先が中々決まらない場合、賃貸住宅などの仮住まいが必要だということです。仮住まいの初期費用や賃料がかかるため、タイミングを見極めなければ無駄な出費になってしまいます。

持ち家をリースバックする

老後の住み替え資金を調達する方法として、持ち家をリースバックするケースもあります。リースバックとは、現在住んでいる持ち家を売却しまとまった資金を得るだけでなく、売却したあとも家賃を支払いながら住み続けるという方法です。

リースバックのメリットは、物件を売り出し買主を探す手間が省けるため、周囲に知られることなく短期間でまとまった資金を手に入れられることです。さらに、引っ越しをすることによる金銭的負担や精神的負担が軽減され、住み慣れた家で引き続き生活できるという点も大きなメリットです。

デメリットは新たに毎月支払う賃料が発生することです。リースバックの場合は、住宅ローンを支払うより賃料が高くなるケースがほとんどで、生活費がショートしないようやりくりすることが重要です。

老後はどのような住まいを選ぶべき?

説明を受ける夫婦
説明を受ける夫婦

老後の生活はこれまでとは違い、セキュリティ面やバリアフリーを意識した住まいを選ぶ必要があります。ここでは、老後に検討すべき住まいについて解説します。

シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは、シニア世代が住みやすいようなサービスやサポートを受けられる、バリアフリー化された分譲マンションのことです。

シニア向け分譲マンションでは、車椅子でも使いやすい引き戸や段差をなくしたフロアー、食事の提供や家事代行サービスを受けられることもあります。

シニア向け分譲マンションの特徴は、老人ホームより自由度の高い生活ができることや、購入すれば自分の資産になるため将来的に売却が可能な点です。

現在の持ち家を売却して手元に資金がある場合、シニア向け分譲マンションを購入し老後を過ごすことをおすすめします。

シニア向け賃貸住宅

老後にシニア向けの賃貸住宅に住み替える方法もあります。シニア向け賃貸住宅は、シニア向け分譲マンションと同じく、シニア世代が暮らしやすいようにバリアフリー化されている構造の住宅です。

シニア向け分譲マンションとの違いは、購入のための高額な資金を用意しなくても済む点です。持ち家を売却しても手元にあまり資金が残らない場合に利用するとよいでしょう。

また、建物の管理は管理会社やオーナーが行うため、分譲マンションと違いメンテナンスの手間が省ける点もメリットです。注意点としては、分譲マンションよりランニングコストが高いため、収支のバランスやライフプランニングを十分に考慮して生活しなければいけません。

リースバックで自宅に住み続ける

老後にリースバックで自宅に住み続ける選択もひとつの有効な方法です。リースバックを利用することで住み慣れた家に引き続き住むことができますし、近隣との付き合いも継続できます。

注意点は、自宅がバリアフリー仕様ではない場合は工事が必要になることや、立地が不便な場合は生活に困ることです。

また、リースバックで得られる資金は、一般的な売却より少なくなることがほとんどです。今後の家賃を支払うためにも売却価格は高いほうがよいため、かならず一般的な売却も並行して検討しましょう。

しかし、自分ひとりでは老後にどのような住まいを選べばよいのかわかりません。自宅の売却価格や資金計画など、悩むことが多いため、安心して老後を暮らすためにかならず不動産会社へ相談しましょう。

住み替えに関する流れや費用、タイミングなどに関してはこちらでも詳しく紹介しています。

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