住み替えをするタイミングを解説。住宅ローン金利や経済情勢などからも考察

内覧する夫婦

いま住んでいる家を売却し、新しい家に住み替えることは人生の大きなターニングポイントです。

住み替えを検討したときに、とくに悩むのが「タイミング」です。住み替えに適したタイミングは人それぞれ異なりますが、共通点もあります。

どのようなタイミングで住み替えをすべきかについて、経済情勢なども含めて解説します。

住み替えをするタイミングとは

そもそもいま住んでいる家で満足している場合は、住み替えをする必要はありません。そのため、住み替えをするタイミングとは、現状よりも快適な環境で暮らしたいというニーズが生まれたタイミングといえます。

住み替えたいというニーズが生まれるタイミングとして、代表的なものを5つ紹介します。

・子どもの独立
・子どもと同居
・勤務地の固定
・老後
・建物の老朽化

子どもの独立

子どもが家を出て独立する時期になると、使っていない部屋が増えます。

とくに、子ども部屋はそれまで子どもだけの空間として使っていたため、独立後は空き部屋となってしまうことが多いです。たとえば一戸建ての二階に子ども部屋がある場合、二階の使用頻度が下がってしまい、生活動線が悪くなってしまいます。

そこで、子どもが独立したタイミングで家を売却し、夫婦2人暮らしに最適な住環境へ移住するケースが多いです。

このように、同居人数が減るタイミングは、住み替えを検討する時期といえるでしょう。

子どもと同居

独立した子どもと再度同居するという場合も、住み替えのタイミングといえます。

この場合は前述したケースとは逆となり、二世帯住宅を検討し部屋数や階層を増やす住み替えとなるのが一般的です。

子どもとの同居はトラブルも多いので注意が必要です。とくにお金に関するトラブルは多く、生活費の負担割合や子育てや家事の対価の支払いについては、親族間とはいえもめてしまう原因になります。

勤務地の固定

全国に支店や事務所を構えている大企業に勤めている方でも、勤続年数が長くなり、キャリアを積むことで転勤する可能性は低くなります。

転勤がないとわかった時点で、現役引退後の生活も考慮しつつ、住宅ローンの融資が受けやすい現役のうちに住み替えをしてしまう方が多いです。

また、若い時期に購入した家がいまのライフスタイルに合っていないことも多く、勤務地が変化しないとわかったタイミングで最適な住環境に住み替えることもあるでしょう。

老後

年を取るにつれて、今までの住宅では階段での転倒といったリスクが高くなるため、注意が必要です。しかし、間取りの関係から二階を積極的に使用する必要がある場合、常に転倒のリスクを抱えることになるでしょう。

そのため、老後の不安を解消するために、ワンフロアで生活できるマンションや平屋に住み替える方が多いです。

これ以外にも、老後になり大きな庭の管理が大変になってきたので、庭のない家に住み替える、というケースもあります。

建物の老朽化

どれだけ丁寧にメンテナンスをしても、家は経年劣化によって損傷してしまいます。近年は自然災害も多発しているため、劣化した家を放置するのは危険です。

この場合はリフォームや建て替え、または住み替えを検討することになりますが、立地を変えたい場合は住み替えを選択することになります。

このように、家が老朽化し、何かしらの対策が必要になったタイミングも住み替えのタイミングといえます。

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経済情勢から見て、いまは住み替えタイミング?

住み替えをするためには新しい住居を購入することになりますが、現在の経済情勢を考慮すると、いま住み替えをすべきでしょうか。

金利は住み替えに追い風

2023年、日銀の新総裁に植田和男氏が就任し、最初の記者会見で「金利緩和政策は継続する」という旨の発言がありました。

このことから、住宅の金利に大きな影響を及ぼすゼロ金利政策は継続され、引き続き低金利で借入ができる状況だといえます。

しかし、アメリカとの金利格差やアフターコロナの影響から、低金利政策がいつまで続くのかは不透明です。そのため、低金利であるいまは住宅ローンを組み、住み替えを実施するには良い状況であるといえます。

物価上昇は今後も継続される

住宅ローンは低金利が継続されていますが、金利格差の影響もあり物価は上昇し続けています。

このことから、建材や配管など部品が多い住宅は価格が上昇しやすく、住み替えのタイミングがあとになるほど購入価格は高くなってしまうことが懸念されます。

また、2019年に発生したウッドショックやアイアンショックは建材の価格を高騰させる要因となりましたが、これらの事件は今後いつ起こるかわかりません。

つまり、2023年現在だと、住み替えのタイミングを遅らせるほど総額が高くなるリスクを抱えることになるといえるでしょう。

光熱費の上昇も注視すべきポイント

価格が高騰しているのは物価だけでなく、光熱費についても同様です。

光熱費は石油の価格に大きく影響を受けることになり、石油の価格が上昇し続けている以上、光熱費も高くなってしまいます。また、光熱費は一般的に築年数の古い家ほど使用効率が悪くなり、結果的に高くなってしまいます。

そのため、住み替え後に快適な生活をおくるためには、なるべく早い段階で高性能な住宅に住み替えし、ランニングコストを抑える必要があるでしょう。

住宅ローンの残債があっても住み替えできる?

電卓を持つ女性

住み替えすることを決めたものの、いま住んでいる家に住宅ローンが残っている場合でも住み替えはできるのでしょうか。

結論からいうと、住宅ローンがあっても住み替えは可能ですが、どのような方法であれ残債を完済する必要があります。住宅ローンが残っている家から住み替えをする場合のポイントを解説します。

残債を完済できないと売却できない

住宅ローンが残ったままの家は売却ができません。これは抵当権が抹消できない状態だからです。

抵当権とは、住宅ローンなどの借入金の担保として設定される権利です。抵当権が付いたままの家は競売にかけられるおそれがあるため、買い手は急に家を失うリスクを抱えてしまいます。そのため、抵当権を抹消できない場合は不動産を売却することはできません。

住宅ローンの残債額が売却価格よりも低くなることを「アンダーローン」といいます。アンダーローンであれば、問題なく売却ができます。一方、住宅ローンの残債額のほうが多くなることを「オーバーローン」といい、この状態では抵当権を抹消することができず、売却できないことになります。

しかし、不足分を自己資金で補えば残債を完済できるため、問題なく売却できます。

住み替えローンとは

住み替え時には「住み替えローン」を利用する方も多いです。

住み替えローンは、現在の物件を売却してもまだ残債がある場合に利用できる住宅ローンの一種です。このローンでは、古い住宅ローンの完済費用と新しく購入する住宅の資金を同時に借り入れることができます。

たとえば、残債が500万円あり、新居のローンを3,000万円で組みたい場合、3,500万円の融資を受けます。残債分の融資も受けられることで完済ができ、売却できるようになります。

ただし、住み替えローンの審査基準は通常のローン審査よりも厳しく、金利も高くなる傾向にあるため、利用する際には慎重に検討する必要があるでしょう。

住み替えで失敗しないためにも、早めに不動産会社へ相談する

住み替えで失敗しないためには、適切な売却プランと住み替えのスケジュールを把握することが重要です。

そのため、なるべく早い段階で不動産会社に相談し、最適なタイミングで住み替えをスタートしましょう。なお、不動産会社の選定は複数社検討し、住み替えに強い会社を選ぶことがポイントです。

この際、売却時と購入時で不動産会社を分けないように注意しましょう。住み替えは売却と購入を同時進行で行う場合が多いですが、不動産会社を分けてしまうと、手続きが煩雑になります。

信頼のできる1社を選定して、その不動産会社に売却・購入の両方をサポートしてもらうことでスムーズに進められます。

住み替えに関する流れや費用、タイミングなどに関してはこちらでも詳しく紹介しています。

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