名古屋のベッドタウンとして人気の高い一宮市の土地価格相場を紹介します。
一宮市の土地価格推移はどのように変化しているのでしょうか。一宮市で土地を実際に購入・売却する際の流れについても解説します。
一宮市の土地価格相場
愛知県一宮市の土地価格相場を国土交通省の「土地総合情報システム」から5年分を集計し、紹介します。
土地総合情報システムは、土地の取引価格や地価公示など、土地に関する様々な情報を統合的に管理するためのシステムです。
一宮市の土地価格相場
一宮市の2017〜2021年の5年分の「平均売却価格」「平均平米」「平均平米単価」は以下のとおりです。
取引年次 | 平均売却価格 | 平均平米 | 平均平米単価 |
---|---|---|---|
2021年 | 1,787万4,473円 | 314㎡ | 6万7,718円 |
2020年 | 1,668万6,521円 | 323㎡ | 6万4,022円 |
2019年 | 1,987万8,681円 | 339㎡ | 6万7,641円 |
2018年 | 1,753万1,958円 | 330㎡ | 6万2,386円 |
2017年 | 1,750万4,389円 | 323㎡ | 6万1,962円 |
土地の平均売却価格はおおまかに、1,600〜2,000万の間で推移しているようです。土地価格相場の推移を把握するために、平均平米単価の推移を見てみましょう。
2021年の平均平米単価は、67,718円と過去5年で最も高い価格となりました。2017年と比較すると、平米単価で5,000円以上の差があり、一宮市の土地価格は上昇傾向にあることが分かります。
一宮市の戸建価格相場
一宮市で土地の購入・売却を検討している方は、同時に戸建の価格相場も気になることでしょう。一宮市の戸建価格相場を紹介します。
取引年次 | 平均売却価格 | 平均平米 | 平均平米単価 |
---|---|---|---|
2021年 | 2,638万7,442円 | 121㎡ | 21万8,793円 |
2020年 | 2,608万6,620円 | 119㎡ | 21万9,514円 |
2019年 | 2,534万8,381円 | 119㎡ | 21万3,907円 |
2018年 | 2,487万3,529円 | 116㎡ | 21万4,978円 |
2017年 | 2,620万4,590円 | 122㎡ | 21万4,475円 |
2021年の平均売却価格は、2,638万7,442円とここ5年で最も高い価格となりました。戸建価格相場の推移を把握するために、平均平米単価の推移を見てみましょう。
2021年の平均売却価格はここ5年で最も高い価格でしたが、戸建の平均平米単価の推移を見ると、21万円台で推移していることからここ5年間で大きな変化はないといえます。
一宮市の基本情報と今後の動向
そもそも、愛知県一宮市はどのような都市なのでしょうか。一宮市の基本情報と今後の動向について解説します。
2021年に「中核市」へ移行
一宮市は2021年に「中核市」へ移行しました。中核市は人口が20万人を超えた都市が対象です。中核市に移行することで保健や福祉などのさまざまな分野の事務権限が県から移譲されます。
つまり、地域に根差した効果的な街づくりを推進することができる都市として認められた、主要都市ということになります。
名古屋駅までのアクセスがよい
一宮市は愛知県の北西部に位置していますが、土地購入を検討する人にとって兼ねてより重要な都市として注目されています。なぜなら一宮市は名古屋駅までのアクセスがよく、土地価格が安いからです。
名鉄一宮駅から名鉄名古屋駅までは、電車で約15分で到着するため、名鉄一宮駅から徒歩20分以内で土地を検討したとしても家から名古屋駅まで1時間かかりません。また、土地価格も名古屋市や三河エリアよりも安いうえに、東海道本線や名鉄名古屋本線、名鉄尾張線のターミナル駅となっており、非常にアクセスがよい駅です。
一宮市の需要は増加している
アクセスのよさに加えて、名古屋駅-品川駅をつなぐリニア中央新幹線の計画が需要増加を後押ししています。
参考:「リニア中央新幹線計画」
一宮市の周辺には稲沢市やあま市、大治町、愛西市、津島市がありますが、中核市に移行した一宮市の需要は最も増加しやすいといえるでしょう。また、名古屋市自体の需要も増加していますが、土地を購入し注文住宅を建てるという意味ではやはり一宮市の方がおすすめだといえます。
その理由として、一宮市は名古屋市よりも土地が安く、さらに土地が広いという点が挙げられます。名古屋駅周辺の土地価格は一宮駅周辺の約3倍以上だといわれます。
このように、名古屋駅からの距離が近い割に価格が安いため、一宮市の土地需要は高いといえます。
土地取引の流れや
実際に、一宮市で土地取引をするときの流れについて解説します。ここで解説するポイントを確認し、後悔のない土地取引にしましょう。
売却
一宮市で土地を売却する流れは以下のとおりです。
1.不動産会社に査定を依頼する
2.査定内容を確認し、不動産会社を選ぶ
3.販売をスタートし反響内容を確認する
4.申込内容を確認し、問題なければ売買契約を締結する
なお、土地の売却については、土地が「市街化区域」か「市街化調整区域」かによって査定額が大きく変わることを知っておきましょう。市街化区域であれば問題なく一般住宅の建築ができますが、市街化調整区域の場合は建築の制限がかかるため、売却が難しくなるでしょう。
一宮市の場合は観音寺駅から島氏永駅、玉野駅が市街化調整区域となっており、注意が必要です。
1:不動産会社に査定を依頼する
土地を売却する際には不動産会社に査定を依頼し、どのくらいの価格で売却できるのかを把握する必要があります。
ただし、前述したように一宮市は建築が原則不可となる市街化調整区域が多いため、想定以上に査定額が低くなる可能性があります。そのため、一宮市で土地を売却する際には「一般住宅の建築可否」が重要なポイントとなるでしょう。なお、不動産の査定は無料です。
2:査定内容を確認し、不動産会社を選ぶ
査定は査定額だけでなく、どのように売却するのかというプランも重要です。たとえば一般住宅の建築が可能な土地であれば査定額が高く、売却しやすいといえます。
しかし、一般住宅の建築ができない土地だった場合は企業の駐車場や工場誘致が最適用地となるため、地元企業のつながりが強い不動産会社を選ぶ必要があります。
つまり、売却が成功するかどうかは不動産会社の選択にかかっているといっても過言ではありません。
3:販売をスタートし反響内容を確認する
不動産会社が決まれば不動産ポータルサイトや紙媒体を通じて買い手を募集します。反響の内容を確認しながら売却プランを微調整します。また、現地案内の申し出があれば必ず感想を確認しましょう。
そうすることで、募集価格の調整をするなど、より精度の高い売却プランにすることができます。
4:申込内容を確認し、問題なければ売買契約を締結する
不動産売却は、売却開始から3カ月〜半年で買い手が見つかるといわれています。
買い手が見つかると、申込書が提示され、売り手が受領することで契約に進みます。申込内容はしっかり確認しましょう。合意できる内容であれば売買契約を締結し、合意ができない内容であれば、仲介会社を通じてこちらの希望を買い手へ伝えます。
購入
不動産取引において、購入の流れは売却ほど複雑ではありません。
1.インターネットや不動産会社から土地情報を集める
2.建築プランを確認し、申込書を提示する
3.不動産売買契約を締結する
1:インターネットや不動産会社から土地情報を集める
インターネットや不動産会社から情報収集し土地を捜索します。その際の注意点として、備考欄に建築可否に関連するワードがないか確認しましょう。
「愛知県開発審査会基準第17号」や「既存宅地」、「旧宅造法」といったワードがあれば一般住宅の建築が可能です。
一方、資材置き場やロードサイド用地というワードがあれば一般住宅の建築は不可となる可能性が高いため、注意しましょう。
2:建築プランを確認し、申込書を提示する
希望に近い土地が見つかれば、その土地をベースにハウスメーカーに建物プランを作成してもらい、確認しましょう。
資金計画と建物プラン、駐車計画、土地周辺の環境に問題なければ申込書を不動産会社経由で売り手に提出し、必要があれば条件交渉をしましょう。
3:不動産売買契約を締結する
すべての条件面で売り手が承諾することで、不動産売買契約に進みます。
売買契約時には売却代金の一部を手付金として支払う必要があるため、不動産会社に金額を事前に確認しましょう。
不動産取引の流れはおおまかに把握しておけば問題ありません。必要書類や費用などは不動産会社が都度教えてくれます。親切でなかったり、知識がなかったりする不動産会社だとトラブルに巻き込まれるおそれがあるため、注意が必要です。