家を買うことは人生の一大イベントのため、そう簡単に決断ができないのは当然です。
では、実際に家を買った人は、どういった理由やタイミングで決断をしているのでしょうか。
ここでは、なかなか家を買う決断ができない理由や、その対処法、決断しやすいタイミングについて紹介します。
目次
家を買う決断ができない理由
家を買う決断できない理由として、長期的な返済に不安があることや希望の条件が合わないこと、知識が不足していることなどがあります。
ここでは物件の購入希望者がどのような不安を感じているのかを紹介します。
返済していけるか不安
家を購入する際に、今後返済していけるのか不安だと感じている人は多いです。
購入時には、ほとんどの人が住宅ローンを組みます。住宅ローンは最長で35年間の返済期間となり、人生で最も大きな借金とも言えます。
長期的な返済では収入の減少やライフプランの変化、金利の上昇などによって返済が滞る可能性も考えられます。
またマイホームの購入希望者が住宅ローンを検討する時に、審査に通るかどうかも心配事のひとつです。
住宅ローンの審査項目は主に以下のとおりです。
- 健康状態
- 勤続年数
- 収入
- 購入予定物件の担保評価
家の購入を検討する際には住宅ローンの審査に通る状態であるかを忘れずに確認しておきましょう。
100点満点を目指してしまう
希望条件が高すぎて家の購入を決断できない人も多いです。
物件の購入者にはそれぞれ希望する条件があり、当然条件がよい物件ほどすぐに買い手が付きます。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅取得時に特に重視するものは下記のとおりです。
住宅取得時に特に重視するもの | 割合 |
---|---|
価格 | 70.9 |
間取り | 30.9 |
立地 | 30.7 |
耐震性能 | 25.5 |
耐久性 | 17.3 |
広さ | 14.5 |
設備・仕様 | 13.0 |
省エネ性能 | 12.1 |
治安 | 11.5 |
デザイン | 10.7 |
物件を購入した人が一番注意している条件は価格が70%を超えており、ほかに間取りや立地、耐震性能などが続いています。
理想の条件がそろっている家が現れるまで待ち続けるという人も多いですが、よい住宅というものは競争率が激しいため手に入れることが難しいということを理解しなければいけません。
住宅購入に関しての知識がなくて不安
住宅を購入したいけど知識がなくて、何をすればいいか分からないという人も多いです。
多くの人はマイホームの購入をすることは初めての経験です。
そのため家を購入するためには、どの程度の資金が必要になり、どのような書類を用意するのか、どの不動産会社に相談すればいいのかなど不安が膨らんでしまいます。
住宅の購入に関しては、物件の良し悪し、住宅ローンや必要になる頭金、国の支援制度など専門的な知識が必要です。すべての知識を理解することは難しいですが、ある程度の知識をつけておくことが大事です。
家を買う決断を後押ししてくれる対処法
いずれは家を買うことを決めている場合は、どこかのタイミングで購入の決断をする必要があります。
ここでは不安や悩みがある場合にどのような対処法があるかをみていきましょう。
細かい返済スケジュールを立てる
住宅ローンの返済ができるか不安な人は、細かな返済スケジュールを立てることが重要です。
家の購入では長期的な返済が必要になるため、無計画で住宅ローンを組んでしまうと返済できなかったり、返済はできても日々の生活に支障をきたしたりするおそれがあります。
具体的には、返済額や返済期間、金利の種類を決める必要があります。
一般的に金融機関の融資条件は、年収400万円未満では返済比率が30%まで、年収400万円以上では35%までと決まっています。返済比率とは年収に占めるローン支払い額の割合のことです。
年収400万円で返済比率が30%の場合には、毎月の返済額は10万円となります。
また返済期間は完済時の年齢を考慮することが大事です。住宅ローンは最長で35年間ですが老後になると収入が減少してしまいます。そのため、長期の住宅ローンを組みたい場合はなるべく早い時期に申し込むようにしましょう。
物件には一長一短があることを理解する
家には、完璧を求めすぎないことを意識しましょう。
物件には一長一短があり、価格が安い場合には耐久性に問題が合ったり、理想の間取りであっても立地がよくなかったりと、どのような物件にも欠点はあるものです。
対策としては条件に優先順位をつけることが大事です。
立地や治安を優先して価格はある程度高くなっても妥協するなど、物件の購入では完璧を目指さずに理想の7割程度の物件を選ぶようにしましょう。
家を購入する際の流れを把握する
物件の購入に関する知識が不足している場合、まずは全体の流れを把握することが大切です。
はじめに希望の条件を選びます。条件とは住宅のエリア、住宅の種類、そして広さやデザイン、間取り、購入する時期などがあります。
次に物件購入の予算を決めます。希望の条件を整理しながら、条件に合った地域の相場を調べて、現在の預貯金や住宅ローンの借入額を計算します。
希望の条件や予算が整理できたら不動産会社に行き、物件の情報を収集しましょう。
そして不動産会社で相談をすることで理解できていない点や新しいアイディアなどを提供してもらえることがあります。
このように手順を踏んで計画を立てていくことで、知識が不足していても家の購入を進めていくことが可能です。
また、何から始めてよいか分からない状況の時に不動産会社に相談するのも問題ありません。条件や予算の決め方のアドバイスをくれるのでミスなく進めていくことができます。
ライフイベントに合わせて決断する人も多い
どうしても家を買う決断ができない人は、ライフイベントの変化に合わせて検討するのもひとつの手です。
実際、ライフイベントの変化に伴って家を買う人は多いです。ここでは、家を買う決断しやすいライフイベントの紹介とメリットや注意点について紹介します。
結婚
結婚したタイミングで家を購入することはさまざまなメリットがあります。
一般的に独身の時よりも結婚して総所得が上がったほうが住宅ローンの審査に通りやすいです。また結婚のタイミングが早ければ、老後前に住宅ローンを完済しやすくなります。
20代で結婚して35年のローンを組んだとしても60歳前後で返済が終わるため、老後の負担が軽減されることが期待できます。
一方で早い時期に家を購入することになると頭金を十分に用意できない可能性があります。また子どもが生まれる前に物件を選ぶ場合は間取りを決める際に注意しなければいけません。子どもの性別や数によって適切な間取りが異なることを覚えておきましょう。
出産や進学
子どもの出産や進学の時期も購入するタイミングのひとつです。
子どもの進学前に家を購入するメリットは転校する必要がないということです。
子どもにとって転校は、環境が大きく変化してつらい経験や強いストレスになってしまうことも多いです。
そのため、進学の前に購入することは子どもに負担をかけずに教育を送れるタイミングといえます。
また出産の時期に家を購入する人も多いです。
出産後に狭いアパートなどで暮らしていると泣き声や遊びまわる音などが気になってしまいます。子どもに不自由をさせたくない場合には、マイホームを購入して騒音や苦情などを気にする必要のない環境を作ることができます。
子どもの独立
子どもが独立した後に住み替えをすることで生活が楽になる場合があります。
子どもの独立後に購入をすることで、自分のスタイルに合った物件を選べます。子どもがいる場合にはどうしても子育てに適した立地や間取りに合わせる必要があります。
しかし、子どもと暮らさない場合では、一度暮らしてみたかったエリアに移住することや趣味を満喫できるエリアに住むことで満喫した生活を送れます。
一度プロに相談してみよう
家を買う決断は人それぞれ異なり、正解はありません。
その中で多くの方の家を買う決断を後押ししてきたのが不動産会社の担当者です。優秀な担当者と出会うことができれば、押し売りをせずに適切なタイミングでの購入を後押ししてくれるでしょう。
家の購入をパートナーが反対しているケースでも、パートナーが前向きになるような提案をしてくれるはずです。
家を買う気持ちはあるが、決断ができないという方はぜひ一度不動産会社に相談してみましょう。