家族構成の変化や老朽化、ライフスタイルの見直しなどをきっかけに、住環境を整えたいと考える人は少なくありません。しかし、「今の家をリフォームして快適に暮らすべきか」「思い切って住み替えたほうがいいのか」、迷ってしまうのが正直なところです。
それぞれの選択肢のメリット・デメリットを比較し、どんな人にどちらが向いているのか、判断のポイントをわかりやすく解説します。
住み替えとリフォームの違い
住み替えとは、現在の住まいを売却して別の物件へ引っ越すことを指します。
一方、リフォームは今住んでいる家の内装や設備を改修・改装して快適性や機能性を高めることです。住み替えは新たな住まいを探す必要があるため、間取りや立地を自由に選べるのが特徴です。
リフォームは住まいを変えずに改善するため、引っ越しの手間がかからない反面、元の建物の制約を受けやすいという違いがあります。つまり、住み替えは「住む場所を変える」ことで、リフォームは「今の住まいを変える」ことといえます。
住み替えのメリットとデメリット

住み替えには、多くのメリットがありますが同時にデメリットも存在します。ここでは、それぞれを整理して解説します。
メリット
住み替えを選択するメリットは、大きく以下の2点が挙げられます。
自分に合った間取りを選択できる
新しい物件を選べる住み替えは、家族構成やライフスタイルに合わせた間取りや設備を自由に選択できます。子育て世帯であれば子ども部屋を確保する、高齢者がいる家庭はバリアフリー設計の住まいを選ぶなど、最適な住環境を実現できます。
趣味の部屋がほしい、落ち着いた静かな部屋を寝室にしたい、急な雨でも安心して洗濯物が干せるバルコニーがほしい、のような、希望に合った間取りや設備の整った新居に住み替えられます。
新しく住宅ローンの控除を受けられる
住み替えで新しく住宅ローンを組む際には、住宅ローン控除・各種優遇制度を再度利用できる場合があります。
特に長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の認定物件を選ぶと、控除期間や控除率が高くなるメリットがあります。こうした物件を選ぶと生活コスト削減効果もあり、住みやすい新居への住み替えも実現できるのでおすすめです。
デメリット
新しい間取り・設備を選べる住み替えのデメリットは、以下が挙げられます。
住み替えるまでに時間がかかる
住み替えには、新居探し・新居の住宅ローン審査・現住居の売却(賃貸募集)・引っ越し手配など多くの手間が発生します。
一連の流れがスムーズに進まないと、仮住まいの手配や二重ローンのリスクも生じます。仮住まいが必要になれば、仮住まいの契約に必要な手数料や敷金・礼金などの出費だけでなく、2度の引っ越しが必要になり、より出費もかさみます。
できるだけ住み替えを検討する際には、現住居を手放すタイミングと、新居への入居のタイミングを合わせるのがポイントです。
ローン残債がある場合は一括返済が必要になる
現在の住宅ローンに残債がある場合、売却益で一括返済しなければ新たなローンを組めないケースが多いです。
売却価格と残債金額のバランスを事前にシミュレーションし、金融機関と調整する必要があります。一括返済できない場合は住み替えローンを利用できる場合もありますが、より審査が厳しいこと、金利が高くなりやすいことも注意が必要です。
リフォームのメリットとデメリット
住み替えと異なり、慣れた土地での生活を維持できるリフォームのメリットとデメリットをそれぞれチェックしていきましょう。
メリット
リフォームを選ぶ大きなメリットは以下が挙げられます。
- ・住み替えよりも費用を安く抑えられる
- ・補助金や助成金の利用が可能になる
- ・引っ越しをする必要がない
住み替えよりも費用を安く抑えられる
物件購入費や引っ越し費用が不要で、必要な部分の改修で対応するリフォームは、住み替えよりも格段に費用を抑えられます。
水回りの更新や内装のリフレッシュなど、優先度の高い部分から着手できるのもメリットといえるでしょう。以下に代表的なリフォームの一般的な相場をまとめましたので、参考にご覧ください。
代表的なリフォームの一般的な相場
| リフォーム箇所 | 費用 |
|---|---|
| トイレ | 10~30万円 |
| お風呂 | 50~150万円 |
| 洗面台 | 7~25万円 |
| キッチン(I型) | 40~80万円 |
| フローリング張替え(1畳) | 3~6万円 |
| 玄関(ドア交換) | 20~50万円 |
| 玄関(内装・外装)の変更 | 5~80万円 |
| 壁紙張替え(1㎡あたり) | 1,000~1,600円 |
少々大がかりなイメージがある、壁の撤去をする場合は、5~10万円が相場となりますが、床や壁材、ドアやその他の変更により費用は変動します。
補助金や助成金の利用が可能になる
国や自治体の省エネ改修、耐震補強、バリアフリー化向けの補助制度を利用すれば、工事費用の一部を公的にサポートしてもらえます。多くの自治体が住宅の長寿命化を支援しています。
以下に代表的な補助金・助成金を紹介します。
代表的な補助金・助成金
| 介護保険 | バリアフリー化などに上限20万円の補助 |
|---|---|
| 子育てグリーン住宅支援事業 | エコ住宅としての性能向上を目的としたリフォームへの補助 |
| 給湯器省エネ2025事業 | エコキュート・ハイブリッド給湯器などへのリフォームで6~20万円の補助 |
| 既存住宅における断熱リフォーム支援事業 | 高断熱住宅へのリフォームで一戸建ての場合120万円まで補助 |
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 劣化対策や耐震性能向上など長持ちする住宅とするためのリフォームで80~160万円の補助 |
子育てグリーン住宅支援事業は、該当する工事をいくつ行うかで補助金額が変わります。
引っ越しをする必要がない
慣れ親しんだ地域やコミュニティを維持しながら、住み心地を改善できるのが大きな魅力です。ただし、キッチンや浴室など水回り工事の場合は、工事期間中に仮住まいを要することがあります。
デメリット
住み替えよりもコストがかかってしまうことだけでなく、リフォームには以下のようなデメリットもあります。
リフォームローンは金利が高い
リフォーム時に利用できるリフォームローンは、2~5%の金利がかかるのが一般的です。新規住宅購入時の住宅ローンが1%未満のものが多いことを考えると、リフォームローンは2~5倍以上の利息を支払うことになるでしょう。
工事内容によっては高額な費用がかかる
部分的な改修では根本的な間取りの変更が難しく、希望する改善ができない場合もあります。工事の規模によっては高額な費用がかかることがあり、計画的な予算管理も欠かせません。
築年数が古い場合、表層の改修だけでなく構造部分や配管、断熱材の入れ替えが必要となり、当初見込み以上の費用がかかってしまうケースもあります。
適切なリフォームを適切な価格で行うなら、信頼できる業者に事前調査をしてもらい、明確な見積もりを作成・提示してもらいましょう。
住み替えまたはリフォームを選択する際の判断ポイント
住み替えとリフォームのどちらが最適かは、ライフスタイルや家族構成、資金状況、将来設計によって異なります。以下のポイントを参考に選択してください。
住み替えに向いている人
リフォームよりも住み替えをおすすめするのは、以下のような方です。
- ・築浅の家に住みたい人
- ・今の立地に不満を持っている人
- ・住宅ローンを完済している人
築浅の家に住みたい人
最新の省エネ性能やIoT設備、理想的な間取りをいちから手に入れたい場合は住み替えがおすすめです。
- ・今の家は暖房の効きが悪い
- ・子どもたちも巣立ったことだし、自分に合った住みやすい家で心機一転したい
- ・お風呂がきれいで使いやすい家に住みたい
このような場合も、築浅で新しい設備の整った物件への住み替えがよいでしょう。
今の立地に不満を持っている人
通勤・通学の利便性や環境を重視し、今のエリアに不満がある場合は新たな地域への移住を検討すべきです。
- ・会社(学校)までの乗り換えが多くて不便
- ・近くに手ごろなスーパーがなくて、買い物が不便
- ・子供が生まれるけど、近くに幼稚園がない
といった不満があるなら、住みやすい立地で新しい家を探してみましょう。
住宅ローンを完済している人
ローン残債の心配が少なければ、資金計画が立てやすく住み替えをスムーズに進められますから、リフォームにこだわらず、住み替えを検討し心機一転を図るのもおすすめです。
リフォームに向いている人
住み替えよりもリフォームをおすすめするのは、以下に該当する方です。
- ・まとまった予算の用意が難しい人
- ・立地や間取りに満足している人
- ・老後も同じ家に住み続ける予定の人
まとまった予算の用意が難しい人
限られた資金で快適性を向上させたい場合は、リフォームで段階的に改修を進めるのが適しています。
住み替えでは新居購入でまとまった出費が必要ですが、部分的なリフォームであれば数十万円からでも充分可能です。ある程度大きな規模でのリフォーム(リノベーション)でも、数百万円からできます。
まずは「今後どのように生活したいか」「今の住居のどの部分に不便・不満を感じているか」を洗い出し、予算に応じて必要なリフォームを検討するとよいでしょう。
立地や間取りに満足している人
立地や間取りに満足しているのなら、住まう土地を変えるより、リフォーム・リノベーションで住まい方を変えるのがよいでしょう。
年齢を重ねての引っ越しは、人間関係もリセットされてしまうのがネックになるともいわれています。人間関係も満足できているのなら、リフォーム・リノベーションをすることで、生活の利便性を向上させるのがおすすめです。
老後も同じ家に住み続ける予定の人
老後も同じ家に住み続ける予定がある場合、バリアフリー化や耐震補強などの将来を見据えたリフォームで安心して暮らせる家として準備できます。
判断に迷ったら、信頼できる不動産会社やリフォーム会社に相談しましょう。専門家の意見を聞くことで、最適な選択が明確になります。



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