マンションを購入後、子どもの誕生などライフステージの変化により新しいマンションへの住み替えを検討するときもあるでしょう。
マンションを購入するときは高額な初期費用が必要となるため、住宅ローンの利用が一般的です。
住み替えをするときは、旧マンションの住宅ローンの残債があるときでも、ダブルローンを利用すると新たに住宅ローンを組めます。
ダブルローンにより好きなタイミングで新しいマンションへ引っ越せますが、旧マンションが売れない期間は二重のローン返済を負担しなくてはなりません。
また、住宅ローン控除を利用しているときは旧マンションのローンが適用対象外となるため注意しましょう。
ここでは、ダブルローンを利用するときのリスクやメリット、旧マンションが売れないときの対処法などを解説します。
マンションが売れないときにダブルローンを利用するリスク
ダブルローンとは、住宅ローンが残っている状態で新たに別の住宅ローンを組み、二重のローンを返済していく方法です。
ダブルローンは、マンションの住み替えをするときなどに利用されます。たとえば、旧マンションの売却前に新しいマンションへ引っ越したいとき、ダブルローンを利用するとすぐに新しいマンションの購入資金を確保できます。
一方で返済負担の増加など、さまざまなリスクが発生するため、まずはダブルローンを利用するときに気を付けたいポイントを確認していきましょう。
ローンの返済負担が大きくなる
ダブルローンを利用している期間は、ローンの返済が二重で発生するため、家計に大きな負担がかかります。
旧マンションを売却できない期間が長くなると、二重のローン返済をする期間が長くなり、返済ができなくなってしまうかもしれません。
マンションの売却は、不動産会社に売却価格の調査や売買の仲介を依頼したあと、買主が見つかるまで約3〜6カ月ほどかかります。
マンションの周辺環境や経済動向などによっては売れない期間が長くなるケースもあるため、十分な余裕資金や収入を確保しておきましょう。
賃貸物件として利用すると契約違反になる
ダブルローンを利用するときは、旧マンションを賃貸して賃料を住宅ローンの返済にあてることは原則としてできません。
住宅ローンは「自ら居住すること」が契約の前提となっており、自ら居住しない賃貸利用は契約違反となるためです。
例外的に、住宅ローンを契約した金融機関の承諾があれば賃貸を認められる可能性があります。賃貸利用を検討したいときは、事前に金融機関へ相談しましょう。
ローン審査に通らない可能性がある
ローンの審査は、一般的にローンの金額が大きくなるほど審査が厳しくなります。ダブルローンを利用すると、旧居宅のローン残高に新居宅のローンが加算されるため、金融機関にとっては返済リスクが高くなるでしょう。
ローン審査のときは、年収に対するローンの返済負担率やローン完済時の年齢などが考慮されます。返済負担率は、以下の式で計算されます。
返済負担率=年間の返済額合計÷額面年収×100
一般的には、返済負担率を30~35%ほどに抑えられないとローン審査に通らない可能性が高くなるでしょう。
ローンの完済については、70歳くらいまでにローンを完済できる返済期間でなければ審査は通りにくくなります。
住宅ローン控除が適用されなくなる
住み替えローンを利用すると、新しく購入するマンションの借入れに住宅ローン控除を利用できます。一方で、旧マンションには住宅ローン控除を利用できません。
住宅ローン控除は、主に以下の要件をすべて満たすときに利用できます。
住宅ローン控除を利用するための要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 居住の要件 | 住宅の引渡し時や工事完了時から6カ月以内に本人が居住している |
| 住宅の要件 | 不動産登記簿上の床面積が50㎡以上であり、現行の法律で求められる耐震性を満たしている (一部のマンションは40㎡以上50㎡未満で適用可) |
| 年収の要件 | 年間の合計所得金額が2,000万円以下である |
| 期間の要件 | 住宅ローンの借入期間が10年以上である |
| 特例適用の要件 | 「長期譲渡所得の課税特例」「居住用物件の3,000万円譲渡所得控除特例」など、住宅ローン控除と併用が認められない特例が併用されていない |
ダブルローンを利用して売却前に新しいマンションへ住み替えをすると、旧マンションには本人が居住しないため制度を利用できません。
マンションが売れないときにダブルローンを利用するメリット

マンションが売れないときにダブルローンを利用すると、主に以下のようなメリットがあります。
- ・好きなタイミングで物件を購入できる
- ・仮住まい不要で新居に引っ越せる
- ・旧マンションを空き家にして販売できる
それぞれの内容を確認していきましょう。
好きなタイミングで物件を購入できる
ダブルローンを利用しない場合、新しいマンションの購入資金を確保するために旧マンションを売却するケースが多いでしょう。
不動産の売却は、手続きが完了して入金されるまでに数カ月以上かかるケースが珍しくありません。
もし入居を希望する物件が見つかっても、旧マンションを売却するまでは購入できず、空室が埋まってしまうケースがあります。
ダブルローンの場合、旧マンションの売却に関係なく好きなタイミングで新しいマンションを購入できるのが大きなメリットです。
仮住まい不要で新居に引っ越せる
旧マンションを売却して住み替えるときは、一時的な仮住まいを手配しなければならないケースがあります。新しいマンションの購入は旧マンションの売却後になり、また、新しいマンションの購入後も引っ越すまでに手続きなどで時間がかかるためです。
仮住まいが必要になると、引っ越しの費用や手間などが二重でかかるでしょう。ダブルローンを利用した場合、旧居宅に住みながら新居宅の購入や引っ越しのための手続きを進められるため、仮住まいが必要ありません。
旧マンションを空き家にして販売できる
旧マンションの売却後に住み替えをする場合、旧マンションで生活をしながら購入希望者の内覧などに対応しなければなりません。
内覧の準備などに労力がかかり、内覧をする側も生活感を感じてしまうデメリットがあります。ダブルローンにより売却前に住み替えをすれば、空き家にした状態で旧マンションを販売できます。
ダブルローン利用時にマンションが売れないときの対処法
旧マンションが売れないときは、不動産会社に対処法を相談しましょう。具体的には、以下のような対処法が考えられます。
- ・期間限定の特典を設定する
- ・内覧の対応を工夫する
- ・売却価格を相場より若干下げる
- ・不動産会社にマンションを買い取ってもらう
それぞれの内容を確認していきましょう。
期間限定の特典を設定する
相場で販売しても売れない場合、期間限定の特典を設定する方法もあります。
たとえば「購入してくれた方にはリフォーム代を一部負担」などの特典を設定すると、購入するか迷っている人の意思決定を後押しする効果があるでしょう。
内覧の対応を工夫する
購入を検討している希望者にとっては、内覧は購入後の生活をイメージするための重要な機会です。
内覧をしたときの印象が良いと、購入を検討している方の購買意欲に大きな影響を与えます。内覧時の印象を良くするには、たとえば以下のような方法があります。
念入りに掃除や片付けをしておく
玄関、リビング、水回り、キッチンなどは清潔感がある状態に整えておきましょう。
部屋の臭いを除去しておく
たばこやペットの臭いなどは、内覧者が入室する前に換気や芳香剤を使って除去しておきましょう。
部屋の雰囲気を明るくしておく
カーテンを開けて採光を取り、花などを飾って視覚的な印象を良くしておきましょう。
売却価格を相場より若干下げる
売却価格が相場と比べて適正であれば、通常は3~6カ月ほどで成約できるケースが多いです。
6カ月以上たっても成約に至らない場合、購入希望者には売れ残り物件という印象が強くなりがちなため、より売れにくくなるおそれがあります。
相場で販売しても売れない場合、周辺の売却相場などを再調査し、売却価格を若干下げて早期売却をめざしましょう。
不動産会社にマンションを買い取ってもらう
不動産会社によっては、買主への仲介だけでなく、不動産会社自身が物件を買い取ってくれるケースもあります。
仲介手数料は不要で、買主を探す手間がなくなるため、売却までの時間を大幅に短縮できます。特にダブルローンを利用する場合、買主が見つからないとローン返済を二重で負担する期間が長くなってしまうかもしれません。
不動産会社によっては買取を専門としているケースもあるため、相談してみましょう。



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