家を売るなら大手がいいのか、地域密着型がいいのか、どんな基準で会社を選べばよいのか迷う方は少なくありません。
売却は人生でそう何度も経験するものではなく、判断材料に迷うのは自然なことです。会社選びのポイントから高く売るコツまで、順を追って整理していきます。
家を売るなら大手と地域密着型はどちらがおすすめ?
不動産会社を大きく分けると、全国展開する大手仲介会社と、地域に根差した中小の仲介会社の2つに分類できます。どちらが優れているというより、売却する物件の特性や売主が重視するポイントによって適した選択肢が変わってきます。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
大手不動産会社が向いているケース
大手不動産会社は、全国的な集客ネットワークと豊富な広告予算を持っている点が強みです。自社サイトへのアクセス数が多く、遠方に住む購入希望者にもリーチしやすいため、都市部の駅近マンションなど、広い商圏から買主を探したい物件に向いています。
法人としての管理体制が整っている分、契約書類の作成や重要事項説明などの実務面でも安定感があります。転勤や相続などで売却を急ぐ場合、複数店舗を持つ大手であれば、担当者の変更や店舗間の連携もスムーズに進みやすい傾向があります。
地域密着型が向いているケース
地域密着型の不動産会社は、その土地の相場観や近隣の購入希望者の情報に精通していることが強みです。地元の学校区や生活動線、再開発の動向といった、大手では拾いきれない細かな地域情報を踏まえた提案を受けられる場合があります。
戸建てや郊外の物件、特殊な形状の土地など、画一的な基準では評価しにくい物件を売却する際は、地域の事情を理解した担当者のほうが的確な査定や販売戦略を立てやすいこともあります。
迷ったときの選び方
どちらを選ぶか迷う場合は、片方に絞り込まず、大手と地域密着型の両方に査定を依頼して比較する方法が現実的です。査定額だけでなく、担当者の説明の具体性や販売戦略の中身を比較することで、物件との相性が見えてきます。実際には、双方に査定を依頼したうえで、媒介契約を結ぶ会社を絞り込んでいく売主も少なくありません。
家を売る不動産会社を選ぶ7つのポイント
会社の規模だけで判断するのではなく、実務面での見極めも欠かせません。売却を任せる不動産会社を選ぶ際に確認しておきたい7つの視点を紹介します。
売却実績が豊富か
同じエリア、同じような物件種別での売却実績が豊富かどうかは重要な判断材料です。実績が多い会社は、相場観だけでなく、購入希望者がどのような条件を重視するかについても経験値を持っています。会社のウェブサイトや店舗で、過去の成約事例を確認してみるとよいでしょう。
エリアでの販売力があるか
続いて確認したいのが、物件が所在するエリアでの店舗数や、そのエリアを担当する営業担当者の数です。エリアでの販売力が高い会社ほど、日頃から地元の購入希望者と接点を持っており、公開前の段階から声をかけられる候補者を抱えていることもあります。
査定価格の根拠が明確か
査定価格の高さだけで会社を選ぶと、後になって価格を下げざるを得なくなるケースがあります。査定額を提示された際は、周辺の成約事例や公示地価など、どのようなデータを根拠にしているかを確認しましょう。根拠を丁寧に説明できる会社は、販売活動においても現実的な戦略を立てられる傾向があります。
担当者の対応は信頼できるか
売却活動は数か月に及ぶことも珍しくないため、担当者とのコミュニケーションのしやすさも重要な判断材料になります。連絡のレスポンスの速さや、質問への回答の的確さ、こちらの希望条件をどこまで丁寧にヒアリングしてくれるかといった点は、初回の面談だけでもある程度見極めることができます。
囲い込みをしない会社か
専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社はレインズ(指定流通機構)への物件登録が義務付けられています。しかし実際には、自社で買主を見つけて両手仲介を行うために、他社からの問い合わせに対応しなかったり、レインズへの登録を怠ったりする「囲い込み」が業界内で問題視されてきました。
こうした状況を受け、国土交通省は2025年1月の制度改正でレインズへの登録内容の厳格化を図っており、売主に対しては物件の登録状況を確認できる登録証明書が交付される仕組みも導入されました。契約前に、レインズへの登録状況を開示してくれるかどうかも確認しておくと安心です。
販売戦略・広告力があるか
自社サイトやポータルサイトへの掲載だけでなく、チラシ、オープンハウス、SNSなど、どのような媒体を組み合わせて販売活動を行うかも会社によって差があります。物件の特徴に合わせた広告戦略を提案してくれるかどうかも、選定時に確認しておきたいポイントです。
口コミ・評判が良いか
最後に、インターネット上の口コミサイトやSNSでの評判も参考材料になります。ただし、極端に良い評価・悪い評価はどちらも一部の意見に偏っている可能性があるため、複数の情報源を照らし合わせながら、全体的な傾向として捉えることが大切です。
家を高く売る5つのコツ

会社選びと合わせて、売主自身が実践できる工夫によっても、売却価格や成約までの期間は変わってきます。家を少しでも高く、そして納得のいく形で売るための5つのコツを紹介します。
複数社へ査定を依頼する
1社だけの査定額を鵜呑みにせず、複数の会社に査定を依頼して比較することで、相場からかけ離れた金額を提示されるリスクを減らせます。査定額の幅を把握しておくと、その後の価格交渉の基準にもなります。
相場を把握しておく
査定を依頼する前に、国土交通省の不動産情報ライブラリやレインズマーケットインフォメーションなどで、近隣の成約事例をある程度把握しておくと、提示された査定額が妥当かどうかを自分でも判断しやすくなります。
売却時期を見極める
不動産市況は需給や金利動向によって変動するため、売り出すタイミングも価格に影響します。転勤や入学などのライフイベントが多い1〜3月は購入希望者の動きが活発になりやすい時期とされています。焦って売り急ぐと価格交渉で不利になりやすいため、余裕を持ったスケジュールを組むことも大切です。
内覧対策を行う
物件の印象は、内覧時の第一印象によって大きく左右されます。整理整頓や清掃はもちろん、生活感を抑えつつも生活動線がイメージできるような見せ方を意識すると、成約につながりやすくなります。
査定額だけで判断しない
査定額の高さだけで会社を決めてしまうと、実際の販売活動でその価格に届かず、後から値下げを重ねる結果になりかねません。査定額の根拠や販売戦略の具体性も踏まえたうえで、総合的に信頼できる会社を選ぶことが、結果的に高値売却につながります。
一括査定は使うべき?メリット・デメリット
複数社へ効率よく査定を依頼する手段として、一括査定サイトを利用する売主もいます。便利さの裏には注意しておきたい点もあるため、メリットとデメリットの両方を理解したうえで利用を検討することが大切です。
一括査定のメリット
一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できるため、個別に会社を探して連絡する手間は省けます。短期間でおおまかな相場感をつかみたい場合には、選択肢のひとつになります。
一括査定のデメリット
一括査定サイトに登録すると、複数の会社から一斉に電話やメールでの連絡が来るため、対応に時間や手間を取られてしまいます。
サイトに掲載されている査定額はあくまで簡易的な試算にとどまり、実際に現地を確認したうえでの査定額とは差が出ることも珍しくありません。サイトに参加していない優良な地域密着型の会社が候補から漏れてしまう点も理解しておく必要があります。個人情報を複数社に一括で提供することになるため、その後の連絡対応まで含めて負担に感じる方も少なくありません。
おすすめな人・おすすめしない人
多くの会社にまとめて連絡を取ってでも比較材料を集めたい方には一括査定が選択肢になりますが、じっくり相談しながら進めたい方や、連絡対応の負担を抑えたい方には、信頼できる会社に個別に相談し、現地を見たうえでの正確な査定を受ける方法のほうが向いています。
仲介と買取の違い
売却方法には、不動産会社が買主を探す「仲介」と、不動産会社自体が買主となる「買取」があります。それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
仲介が向いている人
仲介は、買取に比べて市場価格に近い金額での売却が期待できる点が特徴です。売却までにある程度の期間がかかっても構わない方や、少しでも高く売りたいという希望がある方に向いています。
買取が向いている人
買取は不動産会社が直接物件を買い取るため、仲介に比べて成約までの期間が短く、内覧対応の負担も少ない点が特徴です。ただし、買取価格は仲介での想定売却価格の7〜8割程度になることが一般的とされています。早期の現金化を優先したい方や、内覧に人を招くことに抵抗がある方には買取が向いています。



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