マイホームの住み替えでかかる税金!マンションと戸建てで違いはある?

家の模型と計算機を抱える女性 

ライフステージの変化によって、今まで住んでいたマイホームを売却して新しくマンションや戸建て住宅を購入するときもあるでしょう。

マイホームの住み替えでは、新しい住宅の購入資金だけでなく、各種税金の支払いも必要です。

納付額が高額になるケースもあるため、マイホームの住み替えでかかる税金を確認しておきましょう。

マイホームの住み替えで発生する税金の種類とそのタイミング

マイホームを住み替えるときは、主に以下の税金がかかります。

マイホームを住み替えるときにかかる主な税金

税金の種類発生するタイミング
譲渡所得税旧住宅を売却したとき
登録免許税新住宅の不動産登記を申請するとき
不動産取得税新住宅を購入したとき
印紙税譲渡契約書を作成したとき

それぞれの内容を解説します。

譲渡所得税

譲渡所得税は、マイホームの売却で発生した譲渡益にかかる税金です。譲渡益とは、マイホームの取得費用から売却費用を控除した残額で、以下のように計算します。

譲渡益=売却額-(取得費+譲渡費用)

譲渡益に税率を乗じたものが譲渡所得税です。税率は、所有期間によって以下のように分かれます。

所有期間別、譲渡所得税の税率

所有期間税率
売却年の1月1日時点で5年以下
(短期譲渡所得)
税率39.63%
(所得税 30.63% 住民税 9%)
売却年の1月1日時点で5年超
(長期譲渡所得)
税率20.315%
(所得税 15.315% 住民税 5%)

5年以上所有してから売却すると、低い税率が適用されます。

譲渡所得税がかかる場合、譲渡した年の翌年2月16日~3月15日までに税務署へ確定申告をしなければなりません。

登録免許税

登録免許税は、新しい住宅を購入後、法務局で名義変更するときにかかる税金で、以下のように計算します。

登録免許税=課税標準額×税率

名義変更する住宅の課税標準額に、以下の税率を乗じて計算します。

名義変更する住宅の課税標準額にかける税率

種類課税標準額税率
通常軽減措置の適用
土地の所有権移転(売買)固定資産課税明細書の評価額1,000分の201,000分の15(2026年3月31日まで)
建物の所有権移転(売買)1,000分の3(2027年3月31日まで)
抵当権の設定(住宅ローンを組むとき)住宅ローンの借入額1,000分の41,000分の1(2027年3月31日まで)

軽減税率は、以下の条件を満たした場合に適用されます。

  • ・自己の居住用住宅であること
  • ・建物の床面積が50㎡以上であること
  • ・新築または取得後1年以内に登記をすること

特定認定長期優良住宅や認定低炭素住宅に認定されている場合、税率はさらに軽減されます。

不動産取得税

不動産取得税は、購入した住宅の評価額に応じてかかる税金です。納付する税額は、課税標準額に税率を乗じて計算します。

不動産取得税にかける税率

種類課税標準額税率
通常軽減措置通常軽減措置
土地固定資産税評価額固定資産税評価額×1/24%3%
建物固定資産税評価額3%

※軽減措置は2027年3月31日まで、宅地や住居の場合のみ

床面積や耐震基準など、一定の要件を満たすと課税標準から一定額が控除されるため、不動産取得税がかからないケースも珍しくありません。

不動産取得税は地方税に該当し、住宅の購入後約半年〜1年半後に納税通知書が届くので、金融機関などで納付しましょう。

印紙税

印紙税は、住宅の譲渡契約書を作成したときにかかる税金です。

「不動産の譲渡に関する契約書」の印紙税は軽減税率が適用されるため、税額は以下のとおり通常より軽減されます。

契約金額ごとにかかる印紙税額

契約金額印紙税額
(軽減税率適用)
10万円超~50万円以下200円
50万円超~100万円以下500円
100万円超~500万円以下1,000円
500万円超~1,000万円以下5,000円
1,000万円超~5,000万円以下1万円
5,000万円超~1億円以下3万円
1億円超~5億円以下6万円
5億円超~10億円以下16万円
10億円超~50億円以下32万円
50億円超48万円

(※平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される契約書の場合)

参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

印紙は郵便局やコンビニエンスストア、法務局などで購入できます。必要な金額の印紙を購入し、契約書に張り付けて使用しましょう。

マンションと戸建ての住み替えで税金はどう変わる?

マンションと家を持つ男性ビジネスマン

マンションと戸建ては、税金の計算方法に違いがあります。

税金は、土地と建物の価格にそれぞれ課税されます。戸建ての場合、土地と建物の所有者は同一人であるケースが多いでしょう。

マンションの場合、ひとつの建物を複数の人で共有しているため、計算がやや複雑になるケースがあります。

ここからは、マンションと戸建ての税金計算について主な違いを確認していきましょう。

譲渡所得税の違い

マンションと戸建てでは、減価償却費の計算が大きく異なります。

減価償却とは、経年による建物の価値の減少を計算するためのルールであり、以下の式で計算します。

減価償却費=建物購入価額×0.9×償却率×経過年数

建物の譲渡所得税を計算するとき、取得費から減価償却費を控除して、現在残っている価値から譲渡益を計算します。

譲渡益=売却額-(取得費+譲渡費用)
※取得費:購入価格から減価償却費を控除した額

譲渡所得税=譲渡益×税率

たとえば鉄骨鉄筋コンクリート造マンションの場合、頑丈で長く使用できるため、減価償却できる年数が長く設定されています。

経過年数による償却率も低いため、木造の戸建て住宅と比較すると同じ年数の経過でも価値の減少は小さくなります。

一方、戸建ては広い敷地がある場合など、建物より土地の価格が大きくなるケースが珍しくありません。

土地は減価償却による控除もないため、戸建ての場合は土地の評価額が大きく影響するケースが多いので注意しましょう。

不動産取得税の違い

戸建ての場合、住宅と土地のそれぞれの評価額に課税されます。一方で、マンションの場合は住居の専有部分をもとに不動産取得税を計算します。

  • ・住居:建物全体に対する住居の専有面積の割合に応じて課税
  • ・敷地:敷地権の持分(敷地全体を住居の専有面積の割合で案分)に応じて課税

同じマンション内で、同じ専有面積であれば、一般的に税額は同じです。

ただし、一定基準を超えるタワーマンションなどでは上層階の評価額が高くなるケースがあります。

登録免許税の違い

購入した住宅が特定認定長期優良住宅であるとき、戸建てよりもマンションは所有権移転登記の税率が低くなるケースがあります。

所有権移転登記の税率

種類軽減措置
所有権保存(新築のとき)0.1%
所有権移転(中古のとき)マンション0.1%
戸建て0.2%

※軽減措置は2027年3月31日まで、特定認定長期優良住宅に該当する場合のみ

参考:国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ

住み替えをするとき、新居が特定認定長期優良住宅に該当するか不動産会社に確認するとよいでしょう。

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マイホーム住み替え時に利用できる税制優遇制度

住み替えでは、税金を軽減できる各種優遇制度があります。それぞれの概要や利用条件などを確認しましょう。

3,000万円特別控除

3,000万円特別控除とは、住宅を売却したときに最高3,000万円まで譲渡所得から控除できる制度です。

以下の要件を満たす場合に適用できます。

  • ・「現在住んでいる」または「転居後3年目の年末まで」の住宅である
  • ・売却した相手が親族や同族会社などではない
  • ・売却した年の前年や前々年に、3,000万円特別控除やマイホームの買い替え特例などの適用を受けていない

住宅ローン控除

住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税や住民税から控除できる制度です。

旧住所で住宅ローン控除を利用している場合も、住み替えによる新住所で新しく住宅ローン控除を利用できます。

ただし、以下の要件を満たさなければなりません。

  • ・「新築された日」もしくは「取得日」から6カ月以内に入居する
  • ・入居後、住宅ローン控除の適用を受ける年度の12月31日まで引き続き居住する
  • ・居住用であり、床面積が50㎡以上である
  • ・給与所得や事業所得が2,000万円を超えていない
  • ・住宅ローンの借入期間が10年間以上の分割払いである
  • ・セカンドハウスや事業用の物件ではない

なお、前述の3,000万円特別控除は住宅ローンと併用できません。

適用する年の前年、前々年、前々々年で住宅ローン控除を利用していると3,000万円特別控除は適用できないので注意しましょう。

買い替え特例

買い替え特例は、マイホームの住み替えで譲渡所得税がかかるとき、課税を将来の売却時まで繰り延べできる制度です。

適用すると、新住居の売却時までは住み替えによる譲渡所得税の支払いが必要ありません

適用するための要件は以下のとおりです。

買い替え特例の適用要件

種類要件
旧住所(売却)・現在住んでいる家屋、または、住まなくなってから3年が経過する日が属する年内までに売却している
・マイホーム売却に関する他の特例を利用していない
・売却代金が1億円以下である
・居住期間が10年以上である
・売却相手が親族などでない
新住所(購入)・築年数25年以内で、かつ、一定の耐震基準を満たしている
・床面積50㎡以上、土地面積500㎡以下である
・旧住所の売却から前後1年以内に新住所を購入している

3,000万円特別控除との併用はできないため、どちらを適用するほうがメリットがあるか、事前にシミュレーションをしておきましょう。

新住所について、マンションは専有部分と敷地持分から、戸建ては土地建物から基準を満たすか確認します。

効果はあくまで繰り延べであり、新住居を売却するときは納税が必要になる点には注意が必要です。

マイホームを住み替えるときは、売却や購入で税金が発生するとともに、税額を軽減するための各種特例を利用できます。各種特例を利用しない場合、必要資金に大きな差が出てしまうかもしれません。

住み替えに関する税金対策や各種特例の利用は、住み替えに強い不動産会社へ相談するのがおすすめです。

各種特例は年度ごとに内容が改正される場合があるため、不動産会社へ相談して最新の内容を確認しておきましょう。

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