マンションの住み替えは、新しい生活への期待とともに多くのリスクをともないます。思い描いた理想の住環境が現実とは異なり、後悔したり失敗したりすることも珍しくありません。
マンションの住み替えでよくある失敗例を紹介し、それぞれの失敗を防ぐための具体的な対策についてくわしく解説します。事前に知識を持つことで、後悔しないスムーズな住み替えの実現にお役立てください。
目次
マンションの住み替えでよくある失敗事例とその対策
マンションの住み替えでよくある失敗例は、次のとおりです。
- ・隣人トラブルに巻き込まれた
- ・仮住まいの費用を見誤り、売却価格を妥協した
- ・高く売ることを優先しすぎて、購入したかった物件が売れてしまった
- ・買主から購入キャンセルの申し出を受けた
- ・現地チェックが足りず、新居の立地に不便さや不満を感じた
- ・家具や家電のサイズが新居に合わなかった
- ・仲介を依頼した不動産会社がいまいちだった
隣人トラブルに巻き込まれた
マンションの住み替えでよくある失敗のひとつが、隣人トラブルに巻き込まれるトラブルです。新しい住まいでの快適な生活を夢見て引っ越したものの、隣人とのトラブルが原因でストレスを抱えるケースは少なくありません。
たとえば、夜間の騒音やペットの問題、ゴミの出し方など、さまざまな要因がトラブルの引き金になります。
対策
転居先での隣人トラブルを防ぐには、事前のリサーチが欠かせません。
内見時に周囲の環境をチェックするだけでなく、近隣住民に直接話を聞いてみることも有効です。
また、インターネット上の口コミサイトやSNSを活用して、地域の評判を調べることも重要です。
さらに、管理組合や管理会社の運営状況もチェックしておく必要があります。
管理の行き届いているマンションではトラブルが発生しにくく、何か問題が起きた場合でも迅速に対応してもらえる傾向にあります。
仮住まいの費用を見誤り、売却価格を妥協した
マンションの住み替えを計画する際に、多くの人が仮住まいの費用を見誤り、結果的に売却価格を妥協してしまうケースがあります。
新しい住まいが見つかるまで仮住まいをすることは一般的ですが、その費用は想像以上に高額になる場合があります。
家賃はもちろんのこと、引っ越し費用や新しい家具・家電の購入費用、さらには契約のための敷金や礼金など、多くの出費が重なるためです。
その結果、資金繰りを優先するあまり、いまのマンションを急いで売却しなければならなくなり、本来は得られるはずだった売却価格を妥協してしまうケースが見受けられます。
対策
このような失敗を防ぐには、事前に仮住まいにかかるすべての費用を細かく見積もることが重要です。
家賃や引っ越し費用、敷金・礼金、家具・家電の購入費用などを詳細に計算し、予算に組み込んでおく必要があります。
また、仮住まいの期間を短くするために、売却と購入のタイミングをできるだけ合わせるように計画を立てることも重要です。
さらに、信頼できる不動産会社に相談し、住み替え全体のスケジュールと資金計画を立てることも欠かせません。不動産会社のアドバイスをもとに、売却価格や購入価格を適切に設定し、無理のない住み替え計画を作成することが大切です。
高く売ることを優先しすぎて、購入したかった物件が売れてしまった
マンションの住み替えを計画する際、現在の住まいをできるだけ高値で売却しようとするのは当然のことです。
しかし、高く売ることを優先しすぎると、思わぬ落とし穴に陥るケースがあります。それは、購入したかった物件をほかの購入希望者に購入されてしまうことです。
市場のタイミングや物件の人気度を考慮せずに高値での募集を続けると、売却が思うように進まず、結果として購入のタイミングを逃してしまいます。
その結果、魅力的な物件が市場に出た際に、売却がまだ完了していないため購入資金が確保できず、ほかの購入希望者に先を越されてしまいます。
対策
このような失敗を避けるには、市場の動向を見極め、現実的な売却価格を設定することが重要です。不動産会社のアドバイスを受けながら、適切なタイミングで売却を進める必要があります。
また、売却活動を開始する前に、購入を希望する物件についてもリサーチし、資金計画を立てておくことで、スムーズな住み替えが可能になるでしょう。
買主から購入キャンセルの申し出を受けた
マンションの住み替えにおいて、買主から購入キャンセルの申し出を受けることは、予期せぬトラブルのひとつです。
売買契約の成立後でも、買主が契約を取り消したいと申し出てくる場合があります。これには、買主の経済状況の変化や物件に対する再評価、あるいは買主側の家庭事情など、さまざまな理由が考えられます。
たとえば、買主がローンの審査に通らなかった場合や、急な転勤や家庭の事情で引っ越しが不要になった場合、または物件の問題を発見して購入をためらう場合などです。
このようなキャンセルは、売主にとって大きな打撃であり、計画していた住み替えのスケジュールが崩れてしまいます。
対策
このような状況を防ぐには、まず、契約書にキャンセルに関する明確な条項を設ける必要があります。
違約金や手付金の取り扱いについて契約書に記載しておくことで、買主側の安易なキャンセルを防止できます。
また、売却活動中は複数の買主候補と交渉を進め、1人の買主に依存しすぎないことも大切です。
万が一、キャンセルが発生した場合でも、ほかの候補者との交渉をスムーズに進められるように準備しておくことが、リスクを最小限に抑える鍵となります。
現地チェックが足りず、新居の立地に不便さや不満を感じた
購入前の段階では物件の内見に集中しがちですが、周辺環境のチェックも同様に重要です。引っ越し後に交通の便が悪かったり、日常の買い物が不便だったりすることに気づいて後悔するケースは珍しくありません。
たとえば、後悔する例で多いのが以下のような交通面の不便さです。
- ・通勤・通学に時間がかかる
- ・最寄り駅までのアクセスが悪い
- ・バスや電車の本数が少ない
また、近くにスーパーやコンビニエンスストアが少ない、医療機関や公園が遠いなど、日常生活に必要な施設が不足している場合もあります。
さらに、周辺が夜間に騒がしくなる、思ったよりも治安が悪い、といった問題も見落としがちです。
対策
このような失敗を防ぐには、購入前に何度も現地を訪れ、実際の生活をイメージしながら周辺環境をチェックすることが重要です。
平日と週末、昼間と夜間など、異なる時間帯に現地を訪れることで、よりリアルな生活環境が把握できます。
また、近隣の住民や管理人に話を聞いてみるのも有効な手段です。交通アクセスや買い物施設、医療機関、教育施設の位置を事前にリサーチし、ライフスタイルに合った環境かどうかを慎重に判断することをおすすめします。
家具や家電のサイズが新居に合わなかった
マンションの住み替えでよくある失敗のひとつに、新居に家具や家電のサイズが合わないという問題もあります。
引っ越し後に、お気に入りのソファやテーブルが部屋に入らなかったり、予定していた場所に収まらなかったりすることに気づき、困惑するケースは珍しくありません。
これは購入前の段階で、家具や家電のサイズと新居の間取りや設置スペースを十分にチェックしなかったことが原因です。
また、ドアや廊下の幅を測らずに引っ越しを進めた結果、玄関を通過できない家具が出てくることも考えられます。
これにより、新たに家具や家電を購入する必要性が生じ、予期せぬ出費が増えてしまいます。
対策
このような失敗を防ぐには、まず、内見時に新居の寸法を詳細に測定する必要があります。特に、玄関や廊下、ドアの幅、高さを正確に把握しておくことで、家具や家電が通るかを事前にチェックできます。
また、既存の家具や家電の寸法もきちんと測り、それぞれを新居のどこに配置するかを計画しておくことが大切です。
さらに、新居の間取り図をもとに、各部屋にどの家具や家電を配置するかをシミュレーションすることがおすすめです。
引っ越し前にこれらの準備を徹底することで、家具や家電のサイズが合わないリスクを減らし、スムーズな住み替えが実現できます。
仲介を依頼した不動産会社がいまいちだった
マンションの住み替えにおいて、不動産会社の選択は非常に重要です。
しかし、仲介を依頼した不動産会社がいまいちだったり、手落ちがあったりすると、スムーズな住み替えが難しくなる場合があります。
不動産会社の対応が悪いと、「売却活動が遅れる」「適切な価格設定ができない」「購入希望者との交渉がうまくいかない」など、さまざまな問題が生じます。
たとえば、広告活動が不十分で物件の魅力を十分に伝えられなかったり、内見のスケジュール調整がうまくいかなかったりする場合もあります。
また、契約手続きや法的手続きにおいて不備があると、契約が成立しないリスクやトラブル発生のリスクが高まります。
対策
このような失敗を防ぐには、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
不動産会社を選ぶ際には実績や評判、担当者の対応力をしっかりとチェックする必要があります。口コミを参考にするのもひとつの方法です。
また、複数の不動産会社に相談し、比較検討することも重要です。不動産会社とのコミュニケーションを密にし、希望や条件を明確に伝えることで、よりスムーズな住み替えが実現できます。