マイホーム購入の適切な年齢とは。リスクのある年齢や購入後の不満についても紹介

初めてマイホームを購入するとなると、タイミングは適切なのか、そもそも購入してもいいものだろうか、さまざまな考えが頭に渦巻きます。

ここでは、一生で一番の大きな買い物といわれているマイホームを購入するにあたって知っておくべきポイントについて紹介します。特にマイホーム購入はいつがいいのか、また、失敗しないためにはどういった点に気をつけなければいけないのかについて詳しく解説します。

マイホーム購入が多いのは30代後半から40代前半

国土交通省住宅局が令和2年3月に発表した「令和元年度 住宅市場動向調査」によると、一次取得者(初めて住宅を取得した世帯)において、年齢別で見ると30代が中古マンション以外(注文住宅・分譲戸建住宅・分譲マンション・中古戸建住宅)の購入において最も多く、次に40代が続いています。

同調査をもとに、一次取得者に30代、40代が多い要因について考察していきます。

主に考えられる次の3点について説明します。

購入資金

初めて購入するマイホームの価格について見てみましょう。

平均購入価格では中古戸建住宅、中古マンションは2,000万円台ですが、分譲戸建住宅では3,500万円を超えており、注文住宅、分譲マンションにいたっては4,000万円超えとなっています。

 注文住宅分譲戸建住宅分譲マンション中古戸建住宅中古マンション
平均購入価格(万円4,2943,6444,1802,3242,552
平均自己資金比率(19.222.031.535.734.9
平均自己資金額(万円8248011,316829890
国土交通省住宅局「令和元年度 住宅市場動向調査報告書 より

また平均自己資金額を計算してみると(平均購入価格×平均自己資本比率)、全ての物件種別で800万円以上の自己資金を用意していることが分かります。

購入時の世帯年収

続いて、一次取得者(初めて家を購入する人)の世帯年収についての内訳です。年収がいくらくらいの時にマイホームを買うのでしょうか。

物件種別ごとの一次取得者の平均世帯年収は下記のとおりです。

 注文住宅分譲戸建住宅分譲マンション中古戸建住宅中古マンション
一次取得者平均世帯年収(万円731641752628656
国土交通省住宅局「令和元年度 住宅市場動向調査報告書 より

一次取得者の平均世帯年収においては、全ての物件種別において600万円以上であることが分かります。

次に2019年の厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」による年代別平均世帯年収を見てみます。

20代30代40代50代60代
平均世帯(主)年収(万円363615695756566
出典:厚生労働省2019 年「 国民生活基礎調査の概況」 より

住宅の一次取得者の平均年収と、世の中の年代別平均世帯年収を見てみると、30代~50代が世帯年収600万円を超えており、住宅購入を検討しやすい年代であることが分かります。

その中でも30代が一番多い理由としては次章で説明する住宅ローンの返済期間が大きく影響しています。

ローンの返済期間

住宅ローンを利用された場合の平均返済期間は下記のとおりです。

 注文住宅分譲戸建住宅分譲マンション中古戸建住宅中古マンション
住宅ローンの平均返済期間(32.132.731.528.128.9
厚生労働省2019 年「 国民生活基礎調査の概況」 より

ほとんどの物件において30年プラスマイナス3年となっています。では、どうして約30年の返済期間となるのでしょうか。

次にメガバンクにおける住宅ローンの借入年齢、融資期間、最終返済時をまとめました。

 借入年齢融資期間(上限)最終返済時
三井住友銀行満20歳以上満70歳の誕生日まで35年以内満80歳の誕生日まで
三菱UFJ銀行満20歳以上満70歳の誕生日まで35年以内満80歳の誕生日まで
みずほ銀行満20歳以上満71歳未満35年以内満81歳未満

メガバンクでは、みずほ銀行を除き80歳までに住宅ローンを完済する必要があり、最長35年で返済を計画するのであれば45歳までに住宅を取得することが必要です。

以上により、30代~40代前半に一次取得者が多いのは、住宅ローンの融資期間、最終返済時に影響していると考えられます。

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購入時にリスクが伴う年齢と環境

一次取得者の年齢層は30代が一番多く、次に40代が多いというのは説明しました。

では、その前後、すなわち20代、50代以降、また独身についてはどうなのでしょうか。

それぞれの特徴を説明します。

20代でのマイホーム購入

20代は一般的に勤務年数が短い、年収が少ないなど住宅ローンの審査において厳しくなりがちです。

また、30代、40代と比べて自己資金が少なく、転職や転勤などといった生活環境が変わりやすいことも住宅ローンを組みづらい要因とされます。

一方で、若いため返済期間を長く取れることは月々の返済負担を減らすことにつながります。

50代以降のマイホーム購入

難しい点として、住宅ローンの返済可能年数も30代、40代と比べ短くなるので毎月の返済額が大きくなりがちです。またかつてのように、50代以降に年収が右肩上がりで増えていくということも、一部の企業を除いて期待できなくなっています。

加えて、住宅ローンを利用する際、金融機関は「団体信用生命保険」という金融機関が保険料を負担する生命保険に加入することを条件としている場合がほとんどで、利用者が告知した内容によっては住宅ローンを利用できない場合があります。

50代以降となると、健康面でのリスクは高くなり、既往歴がある人も少なくないため、住宅ローンを利用できないケースがあります。

独身

独身者が住宅ローンを借りる際に意識しておきたいことは、既婚者とは異なり、返済が厳しくなったときにおいて、パートナーに頼ることができない点です。そのため、住宅ローンを利用する際、独身者は病気や失業といったリスクに備えておくことが必要です。

また、独身という理由で審査が厳しくなるということはありません。

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マイホーム購入後の不満点とは

これまで、一次取得者の年齢、購入金額、平均世帯収入、また一次取得者の少ない20代、50代以降などについての特徴について説明しました。

次に購入した住宅について居住者は満足されているのでしょうか。

国土交通省住宅局の「平成30年 住生活総合調査結果」から、居住者が抱えているさまざまな不満について紹介します。

住宅の個別要素に対する評価

住宅評価についての不満率の上位5項目は下記のとおりです。

 高齢者への配慮(段差がない等)地震時の安全性遮音性台風時の安全性断熱性
不満率47.2%43.6%42.9%38.8%38.6%
 国土交通省住宅局「平成30年 住生活総合調査結果」 より

日常生活において家の中、外に内在しているリスクについてあげられている世帯が多く、特に高齢者への配慮、また自然災害発生時に対する安全性といった点について不満を抱いていることがうかがえます。

日当たりや収納などの購入時に誰もが熟考する項目より、長期間住まないと気づかないような項目が多くなっているようです。

居住環境の個別要素に対する評価

居住環境についての不満率の上位5項目は下記のとおりです。

周辺からの延焼のしにくさ歩行時の安全性災害時の避難のしやすさ子どもの遊び場、子育て支援サービス騒音・大気汚染の少なさ
不満率38.4%36.7%34.3%34.2%29.7%
 国土交通省住宅局「平成30年 住生活総合調査結果」 より

天災、人災問わず災害に直面したときの安全の確保に対して不満をもっている世帯の割合が高いことが分かります。

また、家族が快適に過ごせる環境であるかどうかについて重要視されていることが不満率の高さにあらわれています。

購入後の不満点を減らすには

住宅購入に関して、さまざまな要因をトータルで考えたうえでの購入であるわけですが、それでもさまざまな不満があることも事実です。

購入後の不満点を見ると、購入時に検討しなかった要素が後々、不安要素として挙げられていました。

しかし、不動産において100%の満足感を目指すのは極めて難しいです。ご自身の中で優先順位を決め、譲れるものと譲れないものを整理する必要があります。

そして、不動産業者の担当者選びも非常に重要です。素人が気づかない、プロの目線で提案してもらいたいものです。そのためには、信頼でき、知識が豊富な担当者を選びましょう。

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