名古屋市中川区の土地や戸建てなどの、不動産の取引相場や価格傾向について解説します。名古屋市中川区の不動産は売り時なのでしょうか。また、どこに物件売却の相談をすべきかも紹介します。
名古屋市中川区の不動産を実際に売る際の流れについてもまとめました。
目次
名古屋市中川区の不動産売却価格や相場、傾向を解説
名古屋市中川区の不動産取引データを、国土交通省の「土地総合情報システム」から過去5年分を集計して紹介します。「土地総合情報システム」は、不動産取引をした人に対してアンケートを行い、回答データを取引事例として公開しています。
名古屋市中川区の中古マンションの売買取引相場
2020年、名古屋市中川区では42件の中古マンションの売買取引がありました。平均の取引価格は1,816万8,293円、平均面積は72.1㎡、平均平米単価は24万8,215円でした。
名古屋市中川区の中古マンション売買取引データ
取引年次 | 平均売却 価格 |
平均平米 | 平均平米 単価 |
2020年 | 1,816万8,293円 | 72.1 m2 | 24万8,215円 |
2019年 | 1,777万2,903円 | 70.1 m2 | 25万1,710円 |
2018年 | 1,637万9,545円 | 69.9 m2 | 23万4,374円 |
2017年 | 1,562万9,231円 | 69.6 m2 | 22万2,710円 |
2016年 | 1,578万6,441円 | 69.8 m2 | 22万2,826円 |
2020年、名古屋市中川区で中古マンションの売買取引が最も多かったのは尾頭橋地域で5件でした。
尾頭橋は江戸時代に佐屋街道の橋として架けられ、参勤交代でも通行されるなど、市内でも早くから栄えた町です。
現在は商業地と住宅が混在する町並みで、マンションやオフィスだけでなく飲食店も数多くあります。1995年にJR東海道線尾頭橋駅が開業し、名古屋駅まで1駅でアクセスできるようになりました。また、3丁目には「藤田医科大学ばんたね病院」があります。
不動産価格の上昇下落を知るためには、平米単価や坪単価の推移に注目しましょう。
以下は名古屋市中川区で取引された中古マンションの平米単価の推移です。
2020年の中古マンション平米単価は24万8,215円と過去5年で2番目に高い価格でした。昨年よりわずかに下がりましたが、ここ2年は高い水準を保っています。
名古屋市中川区の中古戸建ての売買取引相場
2020年、名古屋市中川区では中古戸建ての売買取引数は170件でした。平均取引価格は3,465万296円、戸建ての平均面積は40.8坪、平均坪単価は115万9,187円でした。
名古屋市中川区の中古戸建て売買取引データ
取引年次 | 平均売却 価格 |
平均平米 | 平均平米 単価 |
2020年 | 3,465万296円 | 40.8坪 | 115万9,187円 |
2019年 | 3,139万2,727円 | 38.8坪 | 91万367円 |
2018年 | 3,051万1,180円 | 39.4坪 | 81万3,174円 |
2017年 | 3,089万1,758円 | 39.6坪 | 80万5,236円 |
2016年 | 3,181万8,797円 | 43.2坪 | 80万1,127円 |
2020年、名古屋市中川区の中古戸建て取引が最も行われたのは、野田地域で8件でした。
野田地域は、庄内川の東側にある閑静な住宅街です。昭和40年代から区画整理が進んだ町で、道路はすっきりと縦横に整備されています。北に近鉄名古屋本線とJR関西本線の八田駅、東には地下鉄東山線の始発駅である高畑駅があり、区内でも鉄道利便性の高いエリアです。
では、名古屋市中川区の中古戸建て売却価格は近年、上がっているのでしょうか。
名古屋市中川区で取引された中古戸建ての平均坪単価の推移を過去5年分見てみましょ
う。
2020年の平均坪単価は115万9,187円と、2019年より20万円以上あがり、過去5年でも一番高い金額となりました。
名古屋市中川区の土地の売買取引相場
2020年、名古屋市中川区では118件の土地の売買取引がありました。平均の取引価格は2,794万8,718円、平均面積は66.6坪、平均坪単価は43万4,231円でした。
名古屋市中川区の土地売買取引データ
取引年次 | 平均売却 価格 |
平均平米 | 平均平米 単価 |
2020年 | 2,794万8,718円 | 66.6坪 | 43万4,231円 |
2019年 | 3,356万2,069円 | 75.5坪 | 44万9,283円 |
2018年 | 2,835万6,727円 | 66.0坪 | 43万3,067円 |
2017年 | 2,745万5,450円 | 66.2坪 | 39万3,598円 |
2016年 | 3,085万6,805円 | 68.3坪 | 42万6,325円 |
2020年、名古屋市中川区で土地の売買取引が最も多かったのは下之一色地域で9件でした。
下之一色地域は庄内川と新川との分岐点にあり、伊勢湾に近くかつては漁師町として知られました。大正時代には「下之一色魚市場」が開設され、昭和初期には「名古屋の台所」と呼ばれるほど栄えましたが、伊勢湾台風の後防潮堤の建設で漁業は衰退、その後は宅地化が進みました。現在は第1種住居地域に指定されたエリアが多く、一戸建てを中心とした下町情緒の残る住宅街が広がっています。
名古屋市中川区で取引された土地の平均坪単価の推移を過去5年分見てみましょう。
2020年の取引された土地の平均坪単価は、43万4,231円と昨年より若干下がりました。ここ5年は42万円~44万円台で推移していることが分かります。
名古屋市中川区は名古屋駅が近く、長い歴史を持つ町
中川区は名古屋市の西部にあり、中村区、港区、中区、熱田区、あま市、海部郡蟹江町、大治町など数多くの区、市・町と隣接しています。鉄道は、北部にJR関西本線、近鉄名古屋線、中央にはあおなみ線が通っています。また、中央には地下鉄東山線の終点高畑駅、東部は名鉄名古屋本線「山王」駅、JR東海道本線「尾頭橋」駅があります。
区内には全部で12の駅がありますが、そのうち11は中央〜東部に偏っているため、中央〜西部のエリアはバスや車の利用が便利なエリアです。
昔は交通の要所であったことから、区内には神社・仏閣・史跡などが数多く残っており、神社の数は75箇所で、名古屋市内16区のなかで最も多くなっています。区の中央には、「尾張四観音」の1つである「荒子観音寺」や、戦国武将・前田利家の出生地といわれる「荒子城跡」があります。
東部は金山や名古屋駅といった繁華街に近く、商業地域や近隣商業地域といった市街地になっています。
庄内川〜新川の中間エリアは、土地区画整理事業により宅地化が進み、全体としては戸建てが多いものの、市営住宅やマンションなども建てられています。
新川より西、戸田川の周辺になると田畑の残るのどかな風景が増えますが、近年宅地化が進められており、住みやすい地域です
名古屋市中川区での不動産売却の流れ
名古屋市中川区の不動産を売却する際の大まかな流れを解説します。
不動産査定を不動産会社に依頼する
まずは、不動産がいくらで売却できるのか、不動産の価格査定を不動産会社に依頼しましょう。
売却する理由や希望の売却価格があれば、査定を依頼するまでにきちんと整理し、不動産会社に伝えることができれば、より良いでしょう。
不動産査定の方法は、不動産会社の担当者を物件に招いて行う現地査定をおすすめします。資料や地図上では分からない情報が、現地に行くことで分かることもあります。できるだけ詳細に物件を査定してもらいましょう。
不動産会社と媒介契約を結ぶ
不動産の査定価格に納得できれば、不動産会社に売却を依頼するために媒介契約を結びます。
媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があります。
・専属専任媒介契約:不動産会社1社のみに売却活動を依頼する契約です。この契約を結ぶと他の不動産会社には売却活動を依頼することができません。また、売主自らが購入検討者を探すこともできません。ただし、売却を依頼された不動産会社は、「レインズ」と呼ばれる不動産事業者同士の物件情報交換システムに、媒介契約の締結から5日以内に掲載することや、売却活動の状況報告も週に1回以上の頻度で行わなければならないことが義務づけられています。
・専任媒介契約:専属専任媒介契約と同様に、1社にのみ売却活動を依頼します。ただし、売主自らが購入検討者を探すことが可能です。こちらは、媒介契約締結から7日以内に「レインズ」への物件情報の掲載、2週間に1度以上の売却活動状況の報告が義務づけられています。
・一般媒介契約:複数の会社に同時に売却活動を依頼することができ、売主自らも購入検討者を探すことができます。ただし、「レインズ」への登録義務や、売却活動状況の報告義務などはありません。
どの契約が良いのかは売主の状況や不動産によって異なるため、売却を依頼する不動産会社に相談することをおすすめします。
売却活動
売却活動を依頼された不動産会社が、不動産のポータルサイトやチラシなどを使って、購入検討者を探します。
物件の内見やオープンハウスを開催する場合などは、売主も協力的に動かなくてはならないため、不動産会社とのスケジュール共有などは綿密に行っておきましょう。
購入申込み・売買契約の締結
購入検討者が現れ、不動産の購入が申し込まれると、売却価格や物件引き渡しの条件についての調整を行います。売主・買主双方が合意に至れば、売買契約を取り交わします。
物件の引き渡し
売却する物件に住宅ローンが残っている場合などは、売買契約締結後に完済手続きや抵当権の抹消手続きを済ませます。そして、物件引き渡し当日、残代金の受領と同時に物件(鍵)の引渡しを行い、売却手続きが完了します。