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家を一括購入するメリット
自宅の購入を検討する場合、ローンで購入するのか一括で購入するのかどちらがお得なのでしょうか。
一括購入の大きなメリットを2つ紹介します。
まず1つめのメリットとして挙げられる点は「住宅ローンの金利や諸費用の節約」です。
節約に関しては数百万円の違いが生まれることもあるので、必ず知っておきましょう。
2つめのメリットは金融機関や保証会社の審査が要らずスムーズに住宅購入できるという点です。
家の一括購入は金融機関等の審査がないので手続きが楽
家の購入に関しては金融機関にローンの申請をした場合には当然審査があります。
住宅ローンの審査はクレジットカードや賃貸住宅に入居する際の審査に比べると慎重に行われます。
自身の個人情報や資産や担保となるもの借入状況などを踏まえて融資が決まります。
一般的な審査機関は事前審査で1週間程度、本審査で2週間~3週間です。ローンに比べ現金一括購入は金融機関の審査がなく、購入にいたるまでがスムーズなので入居プランが組み立てやすくなります。
家の一括購入は金利やローンの諸費用が発生しない
一括購入の際には金利はもちろん、ローンを組む際の諸費用も不要です。
諸費用とは保証料や融資手数料などをいい、相場は購入価格の8%と言われているので3000万の物件購入価格であれば240万円が諸費用として必要です。一括購入の場合ならば諸費用は少なくなりますが、全ての費用がかからなくなるわけではありません。
必要となる費用として収入印紙などは必要になります。
つまり、購入に対しての諸費用は必要ですが、ローンにかかる費用は一切かからずに節約できます。
ここに関しては別として理解しておく必要があります。
ローンの場合、諸費用はどのくらいかかるか
ローンを組む場合は一概に金額は決まっていません。金融機関によって金利も違えば手数料なども違います。なのでここでは1例として紹介します。
例
物件価格:3,000万円
金利:1.5%
期間:30年
総返済額は38,5万79,100円
関連諸費用
銀行手数料(消費税込) 66万円
ローン契約書の印紙税 2万円
登録免許税 12万円
司法書士報酬 10万円
このように一括購入と比較すると800万円以上の差があります。
ただし、ローンを組むと住宅ローンの控除を受けられるので実質は600~700万円の差額になると予想されます。
数百万円単位で節約になるのは一括購入における最大のメリットといえます。
また、金利には「固定金利」と「変動金利」の2種類あります。「変動金利」は「固定金利」に比べて金利が安いので多くの利用者がいます。
しかし、変動金利とは世間の経済状況で年利1%~5%くらいの間で金利が変わります。
返済期間中で金利が上がる可能性はあるので注意が必要です。
下記、ローンを組む際に必要な諸費用の項目です。
項目 | 負担額・利率 | ポイント |
住宅ローンの金利 | 0.4~1.5%程度 | 金融機関や個人の信用情報によって異なる |
保証料 | 借入額の2%程度 | 住宅ローンが滞った場合に保証会社が立て替えてもらう。 |
団体信用生命保険 | 契約内容によって異なる | さまざまな契約会社があるため金額などが決まっていない。 |
融資手数料 | 3~5万もしくは借入額の1~2% | 住宅ローンの手続きを行うための費用 |
収入印紙代 | 2万円程度 | ローン契約時に必要な書類住宅の金額によって負担額は違う |
登記費用 | 借入額の0.1~0.4% | 抵当権を設定するための費用 |
交付手数料(適合証明書) | 5万円程度 | フラット35を利用する際に必要 |
家を一括購入するリスク
家を購入する際には不安を抱えることもあります。
なので家をお得に一括購入する際のリスクはどのようなものが考えられるのかを解説します。
主に3つのリスクがあります。
「手元の預金がなくなってしまう」「すまい給付金が受けられない」「住宅ローン控除がうけられない」このようなことが挙げられます。
リスクをしっかりと理解していくことが家の購入にあたり非常に重要です。
手元の貯金がなくなってしまう可能性がある
住宅購入に際しては、手元の貯金がなくなってしまないように、しっかりとした計画を立てることが必要です。
貯金額のぎりぎりの金額で住宅を一括購入する場合には注意が必要です。
家を購入後に新しい生活を始めるためには、電化製品や家具の購入もしなければいけません。ここには数十万円から数百万円くらいの費用が必要になる場合が多いです。また、当面の生活費も必要になってきます。
一般的に約6カ月の生活費をキャッシュフローとして蓄えておくことをおすすめします。
すまい給付金が受けられないケースが多い
一括購入でも「すまい給付金」を受けられないとは限りませんが、給付金の対象外となることが多いです。
給付金を受けられる条件は以下の通りです。
・自らの居住する住宅の取得のために必要な借入金であること
・償還期間が5年以上であること
・金融機関等の借入であること
主にはこのような条件に該当する必要があるため申請不可となる場合が多いです。
しかし、一定の条件を満たせば申請できることもあります。
国土交通省:「住まい給付金」
住宅ローン控除が受けられない
一括購入では、住宅ローン控除を受けることができません。
これは住居となる家を金融機関からの借り入れで購入した際に10年間にわたり税金の控除を受けられる制度です。
そのためローンを組まない限りは、基本的には住宅ローン控除を受けることはできません。
しかし、上記でも解説していますが「すまい給付金」「住宅ローン控除」を受けられないとしても、一括購入した方が総支払額がお得に購入できます。
家の一括購入かローンかは、経済状況にあった方法を選択することが大事
ここまで一括購入とローン購入を比較してきましたが、それぞれに善し悪しがあります。
現在の家賃に支払っている金額や転勤がなくそこに長期間居住することを考えられるなど、個別の事情を踏まえて判断することが大切です。
生活水準と合わない住宅を購入してしまうと、その後の生活が厳しくなることもあるため注意しましょう。
ローンで支払いをしていく場合、一般的には月収の3分の1程度の金額で月の返済を収めるのが推奨されています。
現金払いとローンの上手な併用
現代では様々なローン商品が開発されており、生活においても身近な存在になっています。気軽にローンを組んでしまうことがありますが、現金払いとローンを上手に併用すればお得に住宅購入ができます。ローンばかり組んでいると金利や利息で損をすることもあります。
出来るだけ現金払いをおすすめしますが、ある程度貯蓄を残しておくことも重要です。
自身で判断するには難しいのでプロに相談するのも一つの手といえそうです。
ファイナンシャルプランナーに相談する
住宅を購入する際には自分自身だけで抱え込むのではなくプロに相談することも検討しましょう。
金融関係や不動産に詳しく保険や税金関係にも深い知識を持っているため、さまざまな角度からアドバイスをもらえるため最善の購入方法を見つけられます。
また、ほとんどの不動産会社がファイナンシャルプランナーの紹介が可能なので、既に不動産会社と接点があれば、紹介してもらいましょう。
不動産会社へ相談する
早い段階で不動産会社にも相談することをおすすめします。相談することで理想の物件がどのくらいの金額なのか、月々の支払いがどのくらいになるのかイメージできます。それをもとにファイナンシャルプランナーに相談するとスムーズに進みます。また、家は高額になるので信頼できる住宅販売、不動産会社の営業担当の方を見つけることがマストです。少しでも不信感があれば他の営業を探しましょう。「この人なら任せられる」と思う担当者と一緒に家の購入計画を進めていきましょう。