名古屋市南区の土地や戸建てなどの、不動産の取引相場や価格傾向について解説します。名古屋市南区の不動産は売り時なのでしょうか。また売却の相談はどこに依頼すれば良いかもご紹介します。

名古屋市南区の不動産を実際に売る際の流れについてもまとめました。

名古屋市南区の不動産売却価格や相場、傾向を解説

名古屋市南区の不動産取引データを、国土交通省の「土地総合情報システム」から過去5年分を集計して紹介します。「土地総合情報システム」は、不動産取引をした人に対してアンケートを行い、回答データを取引事例として公開しています。

名古屋市南区の中古マンションの売買取引相場

2020年、名古屋市南区では39件の中古マンションの売買取引相場がありました。平均の取引価格は1,696万3,515円、平均面積は71.8平米、平均平米単価は23万6,117円でした。

名古屋市南区の中古マンション売買取引データ

取引年次	平均売却 価格	平均平米	平均平米 単価
2020年	1,696万3,515円	71.8㎡ m2	23万6,117円
2019年	1,642万784円	71.9㎡ m2	22万8,502円
2018年	1,354万2,222円	68.2㎡ m2	19万8,502円
2017年	1,443万2,000円	70.3㎡ m2	20万5,292円
2016年	1,448万1,481円	69.3㎡ m2	20万3,179円

2020年、名古屋市南区で中古マンションの売買取引が最も多かったのは新瑞橋地域で6件でした。
新瑞橋は瑞穂区と南区にまたがる地域であり、地下鉄の名城線と桜通線が利用できる便利な地域です。利便性が高いというところもあり、マンションの取引事例が多くなります。
ここ数年、名古屋市南区の中古マンション相場は上昇しているようです。

不動産価格の上昇下落を知るためには、平米単価や坪単価の推移に注目しましょう。

以下は名古屋市南区で取引された中古マンションの平米単価の推移です。

2020年の中古マンション平米単価は23万6,117円と過去5年で最も高い価格でした。ここ2年間で、中古マンションの相場は上昇傾向にあります。

名古屋市南区の中古戸建ての売買取引相場

2020年、名古屋市南区では中古戸建ての売買取引数は129件でした。平均取引価格は3,006万3,000円取引された、戸建ての平均面積は35.8坪、平均坪単価は82万1,296円でした。

名古屋市南区の中古戸建て売買取引データ

取引年次	平均売却 価格	平均平米	平均平米 単価
2020年	3,006万3,566円	35.8坪	83万9,038円
2019年	2,966万2,233円	34.1坪	87万304円
2018年	2,850万2,885円	37.9坪	78万9,236円
2017年	3,056万6,667円	44.9坪	75万5,950円
2016年	2,928万5,965円	36.7坪	82万1,296円

2020年、名古屋市南区の中古戸建て取引が最も行われたのは、天白地域で8件でした。

天白地域は名鉄常滑線「柴田駅」の東に位置する町です。天白地域の南側は天白川が流れ、川を超えると緑区です。4丁目には「千鳥公園」が存在し、たくさんの子どもが集まり、戸建て住宅に住むファミリー層が多い地域となっています。

では、名古屋市南区の中古戸建て売却価格は近年、上がっているのでしょうか。

名古屋市南区で取引された中古戸建ての平均坪単価の推移を過去5年分見てみましょう。

2020年の平均坪単価は83.9万円と、2019年に比べて約4万円下がっていることが分かります。2018年、2017年と70万円台でここ5年は80万円前後で推移しています。

名古屋市南区の土地の売買取引相場

2020年、名古屋市南区では88件の土地の売買取引がありました。平均の取引価格は2,882万690円、平均面積は60.8坪、平均坪単価は49万1,609円でした。

名古屋市南区の土地売買取引データ

取引年次	平均売却 価格	平均平米	平均平米 単価
2020年	2,882万690円	60.8坪	49万1,609円
2019年	3,310万4,630円	54.1坪	47万5,741円
2018年	3,051万8,919円	62.0坪	42万2,883円
2017年	2,715万758円	60.1坪	44万5,379円
2016年	3,586万2,595円	55.7坪	40万1,901円

2020年、名古屋市南区で土地の売買取引が最も多かったのは豊田本町で4件でした。

名鉄常滑線の「豊田本町」駅は「名鉄金山」駅までは5分、「名鉄名古屋」駅まで12分と都心部へのアクセスがよく、通勤・通学に便利な立地です。東側の「豊一丁目」は駅前に保育園があり、その先は戸建てや小規模なアパートなどを中心とした落ち着いた雰囲気の住宅街となっています。

2020年の名古屋市南区では、売却価格が下降しているようです。名古屋市南区で取引された土地の平均坪単価の推移を見てみましょう。

2020年の取引された土地の平均坪単価は、49万1,609円と過去5年で最も高い価格となっているので価値は上がっていることが分かります。

名古屋市南区は都心部が近く自然も多い町

南区は名古屋市の南部にあり、港区・熱田区・瑞穂区・天白区・緑区と隣接しています。また、区の北西部には山崎川、天白区・緑区との境には天白川が流れています。JR・名鉄・地下鉄などの鉄道網が充実しており、区内には12の駅があります。

また、国道1号線をはじめとした幹線道路、名古屋高速3号大高線など道路網も充実しており、交通利便性の高いエリアです。

国道1号線より西のエリアは平坦な地形で、鉄道は名鉄常滑線と築港線が走っています。江戸時代は田畑が広がっていましたが、明治以降は工場地として発展し、現在は工場地と住宅地が混在する街並みになっています。区画の整った街並みで、戸建ては3階建ても多くなっています。

「日本ガイシスポーツプラザ」は国内有数の規模を誇り、各種スポーツ競技やコンサート・イベントなどが開催されています。

名古屋市南区での不動産売却の流れ

名古屋市南区の不動産を売却する際の大まかな流れ解説します。

不動産査定を不動産会社に依頼する

まずは、不動産がいくらで売却できるのか、不動産の価格査定を不動産会社に依頼しましょう。

売却する理由や希望の売却価格があれば、査定を依頼するまでにきちんと整理し、不動産会社に伝えることができれば、より良いでしょう。

不動産査定の方法は、不動産会社の担当者を物件に招いて行う現地査定をおすすめします。資料や地図上では分からない情報が、現地に行くことで分かることもあります。できるだけ詳細に物件を査定してもらいましょう。

不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産の査定価格に納得できれば、不動産会社に売却を依頼するために媒介契約を結びます。

媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があります。

・専属専任媒介契約：不動産会社1社のみに売却活動を依頼する契約です。この契約を結ぶと他の不動産会社には売却活動を依頼することができません。また、売主自らが購入検討者を探すこともできません。ただし、売却を依頼された不動産会社は、「レインズ」と呼ばれる不動産事業者同士の物件情報交換システムに、媒介契約の締結から5日以内に掲載することや、売却活動の状況報告も週に1回以上の頻度で行わなければならないことが義務づけられています。

・専任媒介契約：専属専任媒介契約と同様に、1社にのみ売却活動を依頼します。ただし、売主自らが購入検討者を探すことが可能です。こちらは、媒介契約締結から7日以内に「レインズ」への物件情報の掲載、2週間に1度以上の売却活動状況の報告が義務づけられています。

・一般媒介契約：複数の会社に同時に売却活動を依頼することができ、売主自らも購入検討者を探すことができます。ただし、「レインズ」への登録義務や、売却活動状況の報告義務などはありません。

どの契約が良いのかは売主の状況や不動産によって異なるため、売却を依頼する不動産会社に相談することをおすすめします。

売却活動

売却活動を依頼された不動産会社が、不動産のポータルサイトやチラシなどを使って、購入検討者を探します。

物件の内見やオープンハウスを開催する場合などは、売主も協力的に動かなくてはならないため、不動産会社とのスケジュール共有などは綿密に行っておきましょう。

購入申込み・売買契約の締結

購入検討者が現れ、不動産の購入が申し込まれると、売却価格や物件引き渡しの条件についての調整を行います。売主・買主双方が合意に至れば、売買契約を取り交わします。

物件の引き渡し

売却する物件に住宅ローンが残っている場合などは、売買契約締結後に完済手続きや抵当権の抹消手続きを済ませます。そして、物件引き渡し当日、残代金の受領と同時に物件（鍵）の引渡しを行い、売却手続きが完了します。