マイホームを購入のためにはどういった準備が必要なのでしょうか。
マイホーム購入における資金面でのポイントや準備に必要な期間など、今回はマイホーム購入で重要な準備について解説します。
目次
マイホーム購入のために必要な準備とは
「いつかは自分の家が欲しい」と、マイホームへの憧れを持つ人は多いのではないでしょうか。「一生、賃貸でいいよ」と思っていた人も、人生の節目となる結婚や出産などを期にマイホームの購入を検討し始めるようになることは多いようです。
家は一生に数回もない大きな買い物です。 大金が必要になることはもちろんですが、購入に至るまでさまざまな検討事項をクリアしなければいけません。特に、マイホームは購入前の準備が重要です。
マイホーム取得の資金計画や準備期間について紹介します。
マイホーム計画は何から始めればいい?
マイホームが欲しいと思っても、何から始めればいいのでしょうか。
マイホーム計画に失敗しない最大のコツは、基本の流れをしっかり押さえておくことです。
また、マイホームを購入するにあたっての資金をいくらぐらい用意できるのか。どの程度住宅ローンを借り入れるのかといった資金計画も、漠然としたもので結構なので考えておきましょう。
マイホームの購入慣れない作業や手続きが多くなるため、入念な情報収集が不可欠です。
ライフスタイル、希望するエリアや住宅の形式、間取りや資金計画も考えながら、多くの情報を仕入れていきましょう。
インターネットを利用すれば気軽に情報収集することが可能ですが、個人のブログやSNSなどの情報の中には根拠が乏しいネタも多く含まれます。そのため、専門的なサイトや住宅情報誌、住宅展示場や建築内覧会などをメインにして情報収集を進めましょう。
マイホーム購入までの流れ
マイホーム購入を検討し始めたら、どのような手順を踏むのかを把握しておきましょう。
おおまかなマイホーム購入までの流れは以下のようになります。
1.理想のマイホームのイメージを決める
同居する家族と話し合い、どのようなマイホームを購入するのかを検討しましょう。結婚や出産、家が手狭になったなど、住宅購入の理由は検討者によって様々です。
マイホームを購入する理由を明確に意識し、その目的に沿った住まいとはどういったものなのか。戸建てかマンションか、住まいの広さや立地、周辺環境なども含めて家族全員のニーズを整理し、マイホームをイメージしましょう。
2.資金計画を検討する
マイホーム購入にあたり、どのくらい住宅ローンを組むことができるのか。頭金はいくら用意できるのかといった資金計画を立てましょう。
具体的な購入資金や借り入れるローン額に関しては、不動産会社や金融機関によって算出されますが、このタイミングでも大まかには把握しておきましょう。 あくまでも一般的な考えですが、世帯年収の5~7倍程度が借り入れ可能な住宅ローンだと考えられています。また、一般的なマイホーム購入に当たっての資金計画に関しては後ほど紹介します。
3.土地や施工会社(販売会社)について調べる
マイホームの購入にあたって、どの会社に依頼・相談するのかを検討します。
新築の戸建てであればハウスメーカーや工務店、中古住宅やマンションであれば不動産仲介会社など、多岐に渡ります。
ネットの口コミや、ホームページを参考にしながら、依頼する不動産会社について入念に下調べを行いましょう。
4.住宅展示場や気になる施工会社の内覧会に参加して工事会社(販売会社)を決める
新築の住宅であれば住宅展示場、マンションであればモデルルームなどに行くことで、実際の住まいの雰囲気だけではなく、事業者に対応やサービスについて深く理解することが可能です。
5.土地がない場合は土地を探す
新築の戸建て住宅の建築を検討している場合などは、建物を建てる土地を探す必要があります。
土地は、不動産仲介会社やハウスメーカー、工務店に希望条件を伝えることで探してもらう方法や、自身でもインターネットの不動産ポータルサイトなどを活用し、探すことができます。
6.住宅ローンを借り入れる金融機関を決める
購入や建築するマイホームが決まれば、住宅ローンを借り入れる金融機関を決めます。
物件を紹介してもらった不動産会社が提携している金融機関を紹介されるケースが一般的でしょう。
7.マイホームに関する契約や住宅ローン契約を締結する
マイホーム購入に関する売買契約の手続きや住宅ローンに関する手続きを行います。
8.注文住宅の場合は建築工事が行われる
9.引き渡し
ただし、マンションと戸建住宅、土地の有無、建売物件と注文住宅などによって流れが大きく異なります。
マイホーム購入にかかる諸費用
マイホームを購入する場合、土地や建物の購入代金以外にも様々な費用がかかります。
資金計画には余裕を持っておきましょう。
消費税
不動産を購入する際にも消費税がかかります。
ただし、消費税は建物だけに発生し、土地には課税されません。
仲介手数料
中古マンションや住宅を購入する場合、不動産会社などが媒介するときには仲介手数料が必要になります。仲介手数料は、不動産会社に支払う報酬ですが、法律によって上限が定まっています。
詳細は省略しますが、400万円以上の不動産を購入する場合は
物件の購入価格 × 3% + 6万円 + 消費税
が、法定の上限です。 3,000万円の不動産を購入する場合は、
3,000万円 × 3% + 6万円 + 消費税 = 96万円 + 消費税
となります。
諸費用
所有権移転登記の登録免許税、火災保険料・住宅ローンの保証料、融資事務手数料、団体信用生命保険の保険料、契約書に貼付する印紙代などの諸費用が必要となります。
不動産取得税
マイホームを購入すると、不動産取得税が課税されます。
不動産取得税とは、自治体が算定している対象地域の固定資産税評価額に、税率をかけたものです。
建物の不動産取得税 = 建物の固定資産税評価額 × 4%
※2024(令和6)年3月31日までに「住宅」として取得した建物は、3%の軽減税率が適用されています。
土地の不動産取得税 = 土地の固定資産評価額 × 4%
※2024(令和6年)3月31日までに取得した土地は、評価額(固定資産税評価額)を2分の1に減額し、税率を3%とする軽減措置があります。
マイホーム購入の資金計画について
マイホーム購入でもっとも重要になるのが資金計画です。
いくら理想的なマイホームが見付かっても、とても手の届かない金額ならば意味がありません。理想的な価格帯や住宅ローンを組むならばいくら借り入れるのか、頭金はどれくらい必要なのかについて解説します。
適切な借入額と頭金はどれくらい?
安価で理想的な物件に巡り逢えたら最高ですが、条件が良いほど高額になるのが一般的です。準備できる資金に応じて適切な借入額を検討しましょう。
三井住友トラスト・資産のミライ研究所が2021年6月に公開した「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」には、20~64歳の男女1万人以上に行った、住まいに関するアンケート結果を集計しています。
同調査によると、マイホームの購入時に住宅ローンを利用した割合は、全年代で約8割でした。
また、マイホームの購入時に、頭金をゼロで住宅ローンを利用したケースが、全世帯で3割ほどにも上ることが分かりました。
超低金利と呼ばれている現在においては、頭金がなくとも住宅ローンを借り入れる方が良いと考えている世帯も一定数存在しているようです。
返済計画に無理は厳禁
マイホームの購入は、ライフスタイルや希望エリアを検討する以上に、準備資金をしっかり把握することが大切です。十分な購入資金が準備できる場合は問題ありませんが、購入費を一括で支払えない場合は住宅ローンの利用が必要になります。
住宅ローンを利用する場合、返済額が高くなると毎月の生活が圧迫されるため、無理のない返済計画をすることが大切です。
返済率は、一般的に年収の20〜30%以下が望ましいといわれています。
住宅ローンは基本的に35年を最長期間としていますが、借り入れ時の年齢や完済予定時期、繰り上げ返済の予定なども検討しておきましょう。
住宅ローンはどこで借りる?
住宅ローンの利用可能な金融機関はたくさんありますが、決め手となる理由について紹介します。
先ほどのアンケート調査によると、金融機関を選定した理由は「金利や事務手数料の安さ」「住宅販売会社の提携や紹介」「普段利用しているメインバンク」が上位を占めています。
審査が通らず、他の金融機関を検討しなければいけない可能性もあるので、複数の金融機関を検討しておくと良いでしょう。
マンションや建売住宅のように、すでに完成した物件を購入する場合は住宅ローンだけで十分ですが、注文住宅の場合は注意が必要です。
注文住宅の場合は、建築費を数回に分割して支払うのが一般的で、住宅ローンとつなぎ融資を利用する場合が一般的です。
「つなぎ融資」とは、住宅ローンが実行された際に返済することで、一時的に借り入れられるローンです。
マイホーム購入で陥ってしまう失敗例
昔から「家は3回建てないと理想の家にならない」といわれますが、初めてのマイホーム購入で陥る失敗事例はあとを絶えません。 どのような場合に失敗が起きるのかを知っておくことで、購入前の転ばぬ先の杖になると幸いです。
マイホーム購入の失敗事例について、代表的な事例を紹介します。
資金計画の失敗例
マイホーム購入者がもっとも陥りやすい失敗事例が「資金計画の甘さ」です。
理想に近いという理由で無茶なローンを組むと生活費を圧迫してしまいます。 さらに子供の将来の学費、購入時には見えない維持費や諸経費などの出費が重なり、資金計画が大幅に狂ってしまうと大変な事態に陥ってしまいます。
購入時にも物件価格ばかりに目が行きがちですが、登記費用や各種の税金、手続き手数料、固定資産税なども確認しておく必要があります。 また、住宅はどうしても老朽化しますので、修繕費が必要になります。
マンションなどでは修繕積立金が毎月徴収される仕組みになっていますが、一般的な戸建て住宅でも修繕費はコツコツ貯めておきましょう。
購入時の予算を抑えすぎた失敗例
住宅ローンの返済は少ないに越したことはありませんが、過剰なほど購入時の予算を抑えてしまうと逆に問題が生じやすくなります。
予算を抑え過ぎたあまり、使い勝手が悪い間取りや設備器具に苦労させられては、せっかくのマイホームも台無しです。 粗悪な工事会社の場合、購入の数年後に水回りの配管から水漏れが発生する危険性もあります。 屋根や外壁部分の傷みが激しい事例もあり、予想以上の早さで修繕費用が必要になるケースもあるので注意が必要です。
安物買いの銭失いにならないように、保証期間や構造・漏水対策などの重要な部分はしっかり費用をかけて対策しておきましょう。
不可抗力による失敗例
購入時点では気づきにくい問題ですが、周辺環境による影響や、家庭事情の変化に伴う失敗事例も多いので注意が必要です。
ご近所付き合いなどは、実際に住んでみるまでわかり難いものです。 騒音や匂いなどで隣人とトラブルになるケースもあり、「子供の声がうるさい」といったクレームでストレスを抱える人もいます。 また、マイホーム購入後に、急な転勤などの諸事情で自宅を手放すことになった場合も大変です。
ライフイベントによって生じる家庭事情の変化は予測が難しいものですが、マイホームを手放す場合、購入時より大幅に物件が安くなる事があるので注意が必要です。