名古屋市の土地や戸建てなどの、不動産の取引相場や価格傾向について解説します。名古屋市の不動産は売り時なのでしょうか。

名古屋市の不動産を実際に売る際の流れについてもまとめました。

名古屋市の不動産売却価格・不動産相場や価格推移

名古屋市の不動産取引データを、国土交通省の「土地総合情報システム」から過去5年分を集計して紹介します。「土地総合情報システム」は、不動産取引をした人に対してアンケートを行い、回答データを取引事例として公開しています。

マンション・戸建て・土地ごとの1平米や1坪当たりの単価の推移を見ることで、名古屋市の不動産が上昇しているのか、下落しているのかを判断する指標にもなります。

名古屋市の中古マンション売買相場の推移

2020年、名古屋市全体では1,552件の中古マンションの売買取引相場がありました。平均の取引価格は2,241.3万円、平均面積は63.5平米、平均平米単価は35万9,910円でした。

取引年次	平均売却 価格	平均平米	平均平米 単価
2020年	2,241.3万円	63.5 m2	35万9,910円
2019年	2,201.5万円	64.1 m2	34万9,686円
2018年	2,092.9万円	64.7 m2	32万3,922円
2017年	2,042,9万円	64.0 m2	31万8,520円
2016年	1,940.3万円	64.2 m2	30万4,107円

2020年、名古屋市の中古マンション取引が最も行われたのは、中区で220件でした。

名古屋市中区は、栄や大須、金山といった繁華街や名古屋テレビ塔をはじめとした大型の商業施設のある地域で、東山線・名城線・鶴舞線・桜通線といった地下鉄に加え、高速道路のICも数多い名古屋の交通拠点です。

好立地・好アクセスで、都会的な暮らしができることから、マンション需要が高まっている地域です。

では、名古屋市の全体で中古マンションの売却価格は近年上がっているのでしょうか。
不動産価格の上昇下落を知るためには、平米単価や坪単価の推移に注目しましょう。

名古屋市で取引された中古マンションの平均平米単価の推移を過去5年分、グラフにしました。

名古屋市全体のマンション価格は上昇傾向です。
2020年に取引された中古マンションの平米単価は35万9,910円、2016年の30万4,107円と比べると、5年で約18％価格が上昇していることが分かります。

名古屋市の中古戸建て売買相場の推移

2020年、名古屋市全体では2,064件の中古戸建ての売買取引相場がありました。平均の取引価格は4,465.3万円、平均面積は46.0平米、平均平米単価は97万1,774円でした。

取引年次	平均売却 価格	平均平米	平均平米 単価
2020年	4,465.3万円	46.0坪	97万1,774円
2019年	4,827.8万円	48.9坪	98万7,063円
2018年	4,763.0万円	51.5坪	92万5,136円
2017年	4,860.2万円	52.2坪	93万785円
2016年	5,175.4万円	52.9坪	97万8,750円

2020年、名古屋市の中古戸建て取引が最も行われたのは、緑区で312件でした。

名古屋市緑区は、人口24.8万人の名古屋市で最も人口が多いベットタウンです（2021年7月時点）。ファミリー世帯や子育て層に人気の街で、自然や公園も多い環境である一方で、名鉄名古屋本線を使えば、名古屋駅まで乗り換え無しで15分程度という、好アクセスも魅力的なポイントです。

では、名古屋市の全体で取引された中古戸建ての平均坪単価の推移を見てみましょう。

2020年に取引された中古戸建ての坪単価は97万1,774円で、過去5年の推移を見ると微増微減を繰り返しながらも横ばい状態です。しかし、依然として高い価格帯を維持しています。

名古屋市の土地売買相場の推移

2020年、名古屋市全体では1,424件の中古戸建ての売買取引相場がありました。平均の取引価格は4,836.4万円、平均面積は69.0平米、平均平米単価は71万1,279円でした。

取引年次	平均売却 価格	平均平米	平均平米 単価
2020年	4,836.4万円	69.0坪	71万1,279円
2019年	5,008.8万円	72.0坪	69万3,599円
2018年	5,416.9万円	69.0坪	70万6,846円
2017年	4,730.8万円	68.7坪	60万8,607円
2016年	4,784.7万円	71.5坪	61万4,032円

2020年、名古屋市の土地取引が最も行われたのは中古戸建てと同様、緑区で168件でした。

では、名古屋市の全体で取引された土地の平均坪単価の推移を見てみましょう。

2020年に取引された土地の坪単価は71万1,270円で、5年で約15％上昇しています。
新築戸建てやマンション建築を目的とした用地の不足などによる土地需要の高まりが、土地価格に反映されているようです。

交通網が発達し住みやすい街　名古屋市

名古屋市の人口は232万8,138人（令和2年10月1日時点）で、平成9年以降24年連続で増加しており、毎年最多を更新しています。

日本国内にとどまらず、世界を代表とするものづくりが盛んな都市で、製造業を始め、様々な産業が盛んです。

2019年に名古屋市が発表した「第58回 市政世論調査」によると、実際に名古屋市に住む人に名古屋が「住みやすい」と思うかとたずねたところ、「住みやすい （49.1％）」「 どちらかといえば住みやすい （42.4％）」と、住みやすいという回答が9割以上でした。

その理由として、「買い物する場所などが近くにあって生活に便利」「交通の便がよい」といったものが多くを占めています。

名古屋市は、東京と大阪の中間に位置しており、高速道路や新幹線など交通網が発達しています。また、都心部からでも中部国際セントレア空港までも電車で30分程度でアクセスできることから、非常に交通利便性の高い街です。

また、JR東海が2027年の開業を目指しているリニアモーターカーの停車駅になることも決定しており、今後さらなる発展が期待されています。

名古屋市での不動産売却の流れ

名古屋市の不動産を売却する際の大まかな流れ解説します。

①不動産査定を不動産会社に依頼する

まずは、不動産がいくらで売却できるのか、不動産の価格査定を不動産会社に依頼します。

売却する理由や希望する売却価格があれば、査定時に不動産会社に伝えることをおすすめします。実際に不動産会社を物件に招いて行う現地査定を依頼すれば、資料や地図上では分からない、物件の現状を踏まえた査定が可能です。

できるだけ詳細に物件を査定してもらいましょう。

②不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産の査定価格に納得すれば、実際に不動産会社に売却活動を依頼するために媒介契約を結びます。

この媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があります。

・専属専任媒介契約：
不動産会社1社のみに売却活動を依頼する契約です。専属専任媒介契約を結ぶと他の不動産会社には売却活動を依頼することができなくなります。また、売主自らが購入検討者を探すこともできません。

ただし、専属専任媒介を結んだ不動産会社は、「レインズ」と呼ばれる不動産事業者同士の物件情報交換システムに媒介契約の締結から5日以内に物件情報の掲載や、売却活動の状況報告を週に1回以上の頻度で行わなければならないことが義務づけられています。

・専任媒介契約：
専属専任媒介契約と同様に、1社にのみ売却活動を依頼します。ただし、売主自らが購入検討者を探すことは可能です。専任媒介契約は、契約締結から7日以内に「レインズ」への物件情報の掲載、2週間に1度以上の売却活動状況の報告が義務づけられています。

・一般媒介契約：
複数の不動産会社と締結できる契約で、それぞれの会社に同時に売却活動を依頼することが可能です。売主自らも購入検討者を探すことができます。ただし、「レインズ」への登録義務や、売却活動状況の報告義務などはありません。

どの契約が良いのかは、物件の状況や売主の希望する売却計画によって異なるため、不動産会社に相談することをおすすめします。

③売却活動

売却活動を依頼された不動産会社が、購入検討者を探すため、売却活動を行います。

当社であれば、
・テレビ・ラジオCMでの幅広い宣伝活動
・自社ホームページ・ポータルサイトなどを活用したインターネット集客
・地域情報誌への掲載やポスティングチラシ、新聞折込広告の活用
・来店顧客へのご紹介
・屋外広告看板
など、様々なメディアや手法を活用して物件の売却活動を行います。

物件の内見やオープンハウスを開催する場合などは、売主も協力的に動かなくてはならないため、不動産会社とのスケジュール共有などは綿密に行っておきましょう。

④購入申込み・売買契約の締結

購入検討者が現れ、不動産の購入が申し込まれると、売却価格や物件引き渡しの条件についての調整を行います。売主・買主双方が合意に至れば、売買契約を取り交わします。この際、一般的に手付金として売却代金の5～10％が買主から支払われます。

⑤物件の引き渡し

売却する物件に住宅ローンが残っている場合などは、売買契約締結後に完済手続きや抵当権の抹消手続きを済ませます。そして、物件引き渡し当日、残代金の受領と同時に物件（鍵）の引渡しを行い、売却手続きが完了します。