住宅ローン減税は中古住宅で適用可能?受けるための条件や注意点は?

「住宅ローン減税を受けるための条件がややこしそう……」「中古住宅を買いたいけれど、住宅ローン減税が使えるのかよくわからない……」と悩んでいませんか。ただ、よくわからないからと言って、中古住宅を検討候補から外してしまうと、希望条件に合う素敵な物件に出会えないことも。

この記事では、中古住宅で住宅ローン減税が適用可能なのかについてご紹介します。また、受けるための条件や注意点も詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。住宅は高い買い物なので、少しでも家計の負担が軽くなる制度は、しっかり活用しましょう。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」と言います。住宅ローンを利用して住宅を購入したりリフォームしたりすると、所得税が抑えられる制度のことです。現金での購入やリフォームには、住宅ローン控除が適用されません。また、住宅ローンを借りると自動で適用されるものではないので、申請が必要である点に注意しましょう。

適用には、所定条件のクリアが必要です。控除額にも上限がありますが、家計の負担が軽くなるお得な制度だと言えます。

減税を受けられる期間が13年に延長

減税を受けられる期間は10年間ですが、消費税が8%から10%に増税したタイミングで、13年間に延長する特例ができました。しかし、特例の期限である2020年12月31日を過ぎてしまい、これから家を買おうと考えている方は、「特例が適用されないのか…」とがっかりされていることでしょう。

実は、コロナウィルスの蔓延で落ち込んだ経済を持ち直すため、2020年12月に制度の見直しがあり、対象の期間に変更がありました。

  制度見直し前 制度見直し後
契約期限 入居期限 契約期限 入居期限
新築注文住宅 2019年10月1日〜2020年9月30日 2019年10月1日〜2020年12月31日 2020年10月1日〜2021年9月30日 2021年1月1日〜2022年12月31日
新築戸建住宅 2019年10月1日〜2020年11月30日 2020年12月1日〜2021年11月30日
中古住宅

(参照:報道発表資料:住宅ローン減税等が延長されます!~令和4年入居でも控除期間13年の場合がありますNo.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

これから家探しを始める方は、契約や入居の期限を念頭に置いて、計画的に進めましょう。

減税額の上限は年間40万円

住宅ローン減税は、年間40万円が上限です。ただし、購入を考えている建物の種類によっては、上限額が50万円や20万円になることもあります。

建物の種類 上限額
新築の認定住宅(長期優良住宅や低酸素住宅など) 50万円
新築の認定住宅以外 40万円
消費税が不要の中古住宅 20万円

(参照:No.1213 住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

同じ中古住宅でも消費税の有無で減税の上限額は大きな差。そのため、「どの中古住宅なら上限額が40万円?」と、見分け方に困るポイントではないでしょうか。お探しの物件における減税の上限額は、ぜひ当社スタッフにお尋ねください。

では、減税額の計算方法を確認してみましょう。

減税期間 計算方法
1年目〜10年目 年末残高等×1%
11年目〜13年目 次のいずれか少ない額年末残高等×1%(住宅取得等対価の額-消費税額)×2%÷3

(参照:No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

返済が進めば、毎年の年末時点での借入残高が減っていくため、年を追うごとに減税できる金額も少なくなります。

中古住宅で住宅ローン減税を受けるための条件

中古住宅は六つの条件を満たすと、住宅ローン減税が受けられます。ここでは、それぞれの条件について詳しく解説しますので、中古住宅の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。当社のスタッフと一緒に条件を一つずつ確認しながら、家探しをしていきましょう。

自ら居住すること

購入した住宅に、自ら住むことが条件です。セカンドハウスや別荘として使う目的の住宅では、住宅ローン減税は利用できません。入居時期にも条件があるため、要チェックです。

・住宅を取得して6カ月以内に入居すること
・住宅ローン減税を受ける年の12月31日まで住み続けること

(参照:No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

入居時期を「増改築を終えてから」と考えている方もいらっしゃることでしょう。コロナウィルスの蔓延を受け、入居の期限について特例措置が受けられることも。居住の期限についての気がかりな点は、当社スタッフへお気軽にご相談ください。

床面積が50㎡以上であること

床面積が50㎡以上の住宅であることも住宅ローン減税の適用条件です。登記簿に登録された値で判断されるので、広告などに掲載されている床面積とは異なることも。特例で減税期間が13年に延長している間は、床面積の条件が規制緩和されています。ただし、所得金額の制限がある点に気を付けましょう。

床面積 所得制限の有無
40㎡以上50㎡未満
合計所得1000万円以下
50㎡以上

(参照:報道発表資料:住宅ローン減税等が延長されます!~令和4年入居でも控除期間13年の場合があります~

耐震性能を有していること

耐震性能を有していることが証明できた中古住宅は、住宅ローン減税が受けられます。新築住宅は必ず現行の耐震基準に適合して建てられているため、住宅ローン減税を受ける際には、この証明は不要です。しかし、築年数が経過した中古住宅の中には基準を満たしていないものもあります。安全に住める家である証明がなくては、住宅ローン減税が受けられません。

耐震基準を満たしたことを証明する書類は、3種類。いずれか一つを提出します。

耐震性能の証明書 概要
耐震基準適合証明書 国土交通大臣が定める耐震基準に適合していることについて、建築士等が証明したもの
既存住宅性能評価書(耐震等級1以上) 既存住宅性能評価において、耐震等級1以上が確認されたもの
既存住宅売買瑕疵保険に加入 住宅瑕疵担保責任保険法人による中古住宅の検査と保証がセットになった保険

(参照:住宅ローン減税制度利用の要件|すまい給付金

住宅ローンの返済期間が10年以上であること

住宅ローンの返済期間も減税が受けられるかどうかを左右するポイントです。10年以上の返済期間が対象に。中古住宅は新築住宅より価格が抑えられるので、短い期間での返済計画を立てられる方もいらっしゃることでしょう。また、繰り上げ返済を利用して、完済までの期間を短くする場合も気をつけてください。返済期間が10年未満になった年からは、住宅ローン減税が受けられません。

年収が3000万円以下であること

住宅そのものの条件の他に、住宅ローン減税を受ける年の年収額も重要です。年収3000万円以下とは、「給料が3000万円以下」という意味ではありません。重要なのは、収入として得ている金額の年間合計額です。その金額が3000万円以下であれば、住宅ローン減税が受けられます。給料が規定額以下でも副業や株式投資などで他にも収入がある場合は、合計金額を確認しましょう。

築年数が20年以下であること

中古物件の購入を検討する際には、予算や立地条件の他に、築年数にも着目しましょう。築年数が20年以下の住宅であれば、住宅ローン減税の対象です。建物の種類によっては、築年数が25年以下でも対象の住宅として扱われます。

建物の種類 築年数
耐火建築物以外 20年以内
マンションなどの耐火建築物 25年以内

(参照:住宅ローン減税制度利用の要件|すまい給付金

もし、気に入った物件の築年数がオーバーしてしまっていても、耐震補修工事を所定の手順を踏んで実施したりや耐震基準を満たす証明書の提出したりすることで、住宅ローン減税が受けられます。

中古住宅で住宅ローン減税を受けるために必要な書類

市区町村の役所や法務局などのさまざまな入手先から書類を用意して、住宅ローン減税の手続きを始めます。取得日から所定の期間内に住み始めているのか、住宅がきちんと基準を満たしているのか、などを証明するために必要な書類です。

築年数が20年以上(マンションは25年以上)の住宅は、耐震性能を証明する書類の提出が求められています。また、中古住宅を購入後に耐震補強工事をおこなう場合は、提出書類が追加で必要です。必要書類は、下記ページでも詳しく解説しています。

住宅ローン控除(減税)の申請前に要チェック!必要書類と手続き方法

住宅ローン減税の申請に必要な書類について、不明点や気がかりに思っていることがありましたら、ぜひ、お気軽に当社スタッフにお尋ねください。

中古住宅で住宅ローン減税を受けるための注意点

1年間で最大40万円も所得税の減税ができる住宅ローン減税は、家計の負担が軽くなる制度です。中古住宅で住宅ローン減税を受けるための注意点が二つあります。お得にしっかり利用するためにも、「知らなかった……」と後悔は避けたいですよね。購入前に、注意するポイントを把握しましょう。

リフォーム減税との併用はできない

リフォームをした場合はリフォーム減税があるため、所得税や固定資産税の減税が可能です。住宅ローン減税と併用できれば、さらにお得感が増すため、利用できるとうれしいですよね。しかし、残念ながらリフォーム減税との併用は、一部を除き基本的にはできません。

リフォーム減税と住宅ローン減税の併用ができるのは、耐震基準を満たす目的でおこなうリフォームのみです。劣化が気になる箇所や子供の成長に合わせた間取りの変更などのためリフォームをすることもあるでしょう。その他の省エネ性能を上げたりバリアフリーにしたりなどの目的では、リフォーム減税と住宅ローン減税の併用ができない点に注意してください。

確定申告が必須

住宅ローン減税を受けるには、初年度は確定申告が必須です。会社員、自営業者、副業の有無などは関係ありません。必要書類をそろえて、期限内に手続きをしましょう。また、住宅ローン減税を受けるための確定申告の流れや期限などは、下記ページで詳しく解説しています。

住宅ローン控除の初年度対策!確定申告や手続きの流れ徹底解説します!

確定申告を今までしたことがない会社員の方は、住宅ローン減税の初年度の申請は特に戸惑うものです。2年目以降は年末調整で申請が可能なので、手続きがとても簡単にできます。確定申告に必要な書類や手続きで不明点がありましたら、お気軽に当社スタッフにお尋ねください。

まとめ

住宅ローン減税は、所定の条件を満たすと、中古住宅でも所得税の減税ができるお得な制度です。また、適用期間も2020年12月に見直しがあり、13年間も減税が受けられます。住宅ローン減税を受けるには、必要書類をそろえ、期限内に確定申告をおこないましょう。

ファミリアホームサービスでは、希望条件に合う住まい探しだけでなく、住宅ローンの相談や登記の手続きなど幅広く対応しています。ハウスエージェントとしてお客様に寄り添った親身な対応していますので、お気軽に何でもご相談ください。

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