固定資産税評価証明書とは?取得方法や正しく読むポイントは?

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不動産の登記や相続、贈与などの手続きで必要になってくる書類が固定資産評価証明書です。「どこで取得できるの?」「見方がわからない」という人もいるかと思いますが、公的機関へ届けを出すときに取得するため、理解しておく必要があります。

事前に固定資産評価証明書が必要な場面や取得のしかた、読むときのポイントを知っておくと、いざ取得しようと思ったときに迷わずに済みます。

この記事で分かることは次の通りです。

・固定資産評価証明書の概要
・必要な場面
・取得できる場所と手数料
・見方や読むときのポイント

ぜひ参考にしていただいて、目的の手続きを迷わずに申請できるようにしましょう。

固定資産評価証明書とは?

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固定資産評価証明書を取得したことのある人は少ないでしょう。「必要と言われたけど何なのか分からない」という人も多いはず。頻繁に取得するものではなく、相続や贈与、訴訟などいくつかの場面で必要となってくる文書です。そのため、早めに理解を深め必要なときにすぐ取得できるようにしておきましょう。ここでは、固定資産評価証明書とはどういった文書か、その概要と必要な場面を解説します。

資産の評価額を証明するもの

土地や家屋の評価額で税金の金額が変わることをご存知でしょうか?証明書は、固定資産課税台帳という固定資産税の課税対象になる資産の評価額を証明する文書です。課税対象には、家屋や土地、事業用の構築物や機械などの償却資産も含まれます。

3年ごとに評価額の見直しがおこなわれる固定資産税評価額ですが、新築や改築などをした場合は、3年未満でも評価額が見直される、または新しく設定されます。その評価額の基準は、内閣総理大臣が定めた固定資産評価基準をもとに地域の市長が決定します。少しづつ変化する評価額は、毎年届く固定資産税の納付書をみれば感じることができるでしょう。

固定資産税評価証明書はどんなときに必要?

どんな時に必要なのか分からない方も多い固定資産評価証明書ですが、おもに

・不動産登記の申請時
・相続税や贈与税の申告時
・不動産にかかわる訴訟時

上記三つの手続きをするときに必要です。それぞれ異なる理由で取得する必要があるので、どういった理由かを順番に解説していきます。

不動産登記の申請時

建物や土地などの取得や保有、相続などで所有権を得るためには登記申請をしなければいけません。その申請時に添付書類として、登記をする年度の評価証明書が必要です。

不動産の登記を申請するときに課税される登録免許税が一律ではなく、評価額によって金額が変わるからです。そのため、登録免許税の課税金額を算出するためには評価証明書が必要になります。

その算出方法は、「不動産の評価額に所定の税率をかけた金額」です。不動産の評価額が高額なほど登録免許税も高くなります。

相続税や贈与税の申告時

相続や贈与で土地や家屋の固定資産を譲り受けるときにも、同じように評価証明書が必要です。また、証明書の年度は

・相続を開始した年度
・贈与を受けた年度

これらをそれぞれ用意しましょう。

そもそも「なぜ贈与や相続時に証明書が必要なの?」と疑問に感じる人もいるでしょう、それは、評価額によって金額が変わるからです。固定資産評価証明書を参考に、譲り受けるときに発生する相続税や贈与税を算出するために使用されます。

また、個人や家族間の相続や贈与だけでなく、企業の所有の土地や建物にも相続税や贈与税が発生します。このように、親族などの直系専属だけでなく経営上でも取得する機会があるので、税の知識とあわせて体系的に理解することで仕事にも役に立ちます。

不動産に関する訴訟時

不動産に関する訴訟を提起するときに必要な理由は、評価証明書に記載してある金額を基準に手数料を算定するからです。

不動産に関する訴訟については次のとおり。

・相隣関係訴訟(いわゆるご近所トラブル)
・境界確定訴訟(隣接する筆界に関するトラブル)
・不動産の引渡、明渡訴訟(土地を不法に占拠される)
・不動産に関する共有物分割訴訟(共有物を裁判所に分割してもらう)
・不動産上の物権に基づく妨害排除、予防請求訴訟(侵害状態の排除や予防を求める)
・不動産上の物権、不動産の使用収益を目的とする債権の確定訴訟(不動産での収益を認めてもらう)
・不動産登記に関する訴訟等

このような訴訟を提起するときに、申立の添付書類として裁判所へ提出します。

また、固定資産評価証明書は過去5年より前にさかのぼることは難しいため、忘れないうちに取得しておきましょう。

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固定資産税評価証明書の取得方法(名古屋市港区)

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固定資産税評価証明書を取得できる人は?

固定資産評価証明書は、規則によって限られた人にしか交付していません。土地や家屋はその人の資産であり、個人情報であることが理由です。

評価証明を取得出来る人は次のとおり。

・本人(相続人や納税管理人も含む)
・本人の委任状や承諾書がある人
・固定資産税の賦課期日(一月一日)のあとに所有権を取得した人
・借地人や借家人の人(有償で契約をされているひと限定)
・住民票上同一世帯である配偶者や親族で本人から委託されたと認められる人

このように、本人以外でも委任状や承諾書があれば取得で可能なため、忙しくて手続きができない人は家族などに代理で取得してもらうこともできます。ただし、郵送での申請は本人のみなので注意が必要です。

固定資産税評価証明書はどこで取得できる?

固定資産評価証明書は特定の窓口または郵送での取得になります。名古屋市においては次のとおり。

・市税事務所、出張所
・区役所、支所などの税務窓口

また、各税務窓口で市内すべてのものを発行することができます。

次に、名古屋市港区で固定資産評価証明書を取得できる窓口をお伝えします。

税務窓口 住所(場所) 電話番号
港区税務窓口 港区港明1丁目12-20(1階9番窓口) 052-651-3251
南陽支所税務窓口 港区春田野3丁目1801(1階3番窓口) 052-304-8995
東海通出張所 港区九番町5丁目3-1(JFE東海通ビル1階) 052-665-3291

固定資産税評価証明書の申請手数料

申請手数料は償却資産、土地一筆、家屋一個は一年度につき300円かかります。

また、以下のような場合は手数料が無料になります。

・東日本大震災により被災した人が申請する場合
・新型コロナウイルス感染症に係る融資や貸付に必要な場合

東日本大震災で被災した人は、罹災証明書または被災証明書を持参して、「市税事務所または出張所」「区役所または支所」の税務窓口で手続きができます。また、罹災証明書や被災証明書の写しを市税事務所管理課へ郵送しても手続き可能です。

次に、新型コロナウイルス感染症の影響で融資または貸付を申請する場合は、証明申請書の使用目的欄の「新型コロナウイルス感染症に係る各種支援・融資等」にチェックをし、提出先及び支援制度名を記入して申請してください。

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固定資産税評価証明書を見るときのポイント

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多くの項目がある固定資産評価証明書、慣れない人だと見方が分からずに困惑してしまうこともあるでしょう。そんなときは、ポイントを絞って見ていくことをおすすめします。ここでは、評価証明書の見方と記載されている項目、見るときのポイントを解説します。

固定資産税評価証明書の見方

初めて見る書類は見方や項目の意味が分からないことがあるだけでなく、評価証明書を見たことがない人も少なくないでしょう。ここでは評価証のサンプル見方や項目を解説していきます。

以下の書類の様式は市町村などで変わってくるので、一例としてご覧ください。

持ち家リースバックの窓口

固定資産評価証明書には土地や家屋の価格などの細かな情報が記載してあります。項目は、原則として固定資産課税台帳の記載と同じです。

土地に関する項目

・所在地(土地の住所)
・地積(登記簿に記載される土地の面積)
・現況地目(登記簿上の地目でなく、現在の用途の地目)
・登記地目(登記簿上の地目)
・評価額

家屋に関する項目

・所在地
・種類(居宅や店舗など建物の使用目的)
・家屋番号(住所とは別のもの)
・階数
・主体構造(木造や鉄筋など)
・屋根構造(スレートぶき、かわらぶき、など)
・登記床面積(登記時の床面積)
・課税床面積(共有部分の床面積を加算したもの)
・評価額

このように、土地や建物の構造や価値などがわかります。自宅の細かい作りや仕様を知らない人も多いので、一度確認してみると良いでしょう。

固定資産税評価証明書を見るときのポイント

土地、家屋それぞれで見るときのポイントが違うため、解説していきます。

土地を見ていくとき、登記地目と現況地目の記載があります。しかし、内容が誤っている場合があるため、一致しているか確認しましょう。

建物の項目には、家屋番号が記載されています。戸建てはわかりやすいのですが、マンションなどの場合、家屋番号と部屋番号が違うことがあるので注意してください。

また、床面積の項目では登記上の床面積と課税対象になる床面積の2つが記載されています。この項目は税金の算出に影響するので、誤りがあれば訂正しましょう。

まとめ

今回は、固定資産評価証明書の取得方法や正しい読み方を解説しました。

・固定資産評価証明書は土地や家屋の資産の評価額を証明するもの
・主に相続や贈与、不動産登記、不動産訴訟に必要
・見るときは内容に誤りがないかよく確認する

普段扱うことは少ないですが、多くのひとが一度は取得することになります。今回の記事を参考に必要なときにスムーズな取得ができるようにしておきましょう。

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